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【第7回「ものづくり日本大賞」】内閣総理大臣賞に富士フイルムの大容量データテープ、特別賞に富士機械工業のコーター

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  経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省は、第7回「ものづくり日本大賞」の内閣総理大臣賞受賞者(24件71名)を決定した。
 第7回ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞) 受賞者一覧  「ものづくり日本大賞」は、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材を顕彰するものです。本賞は、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携し、平成17年より隔年開催しており、今回で7回目を迎える。
 このたび、関係4省において、24件71名の内閣総理大臣賞受賞者を決定した。また経済産業省では、上記の内閣総理大臣賞に加えて、18件86名、2団体の経済産業大臣賞、15件74名、1団体の特別賞、18件84名の優秀賞の受賞者をそれぞれ決定した。なお、表彰式・祝賀会は、内閣総理大臣賞は1月22日(月曜日)、経済産業大臣賞・特別賞は2月5日(月曜日)に開催する予定。

<経済産業省関連 内閣総理大臣賞>
◎CO2排出量削減に適した製鉄原料製造プロ セス(Super-SINTER®)の開発
 受賞者:JFEスチール(株) 佐藤道貴氏、佐藤秀明氏、大山伸幸氏、渡辺芳典氏、山本哲也氏、樋口隆英氏、岩見友司氏
 概 要:製鉄業のCO2排出量は製造業・建設業の全排出量の52%を占め、その中で約70%を排出している製銑プロセスに着目。焼結鉱の焼結強度と還元性を向上、製造プロセスを冶金学的に分析し、焼結鉱製造プロセスにおいて大幅なCO2削減を実現する技術の工業化に成功。同社所有の全焼結機に導入し、大幅なCO2削減と同時に数百億円規模のコスト削減を達成し、地球温暖化防止、省エネルギーに貢献した。

◎産業革新を牽引する、世界最高性能のIoTセンサー開発
 受賞者:(株)日立製作所 長野 敬氏、岡田亮二氏、太田裕之氏、芦田喜章氏、宮嶋健太郎氏/日立オートモティブシステムズ(株) 相馬敦郎氏/日立金属(株) 秦 昌平氏
 概 要:日本の得意とする、メカトロニクス技術と半導体技術を融合し、センサー素子と制御回路が2.5mm角の1チップ上に集積された、世界初の半導体ひずみセンサーを開発した。様々な構造物や機器類の変形を、過酷な環境下でも長期間安定した1μストレインレベル(1kmのものが1mmm伸び縮みする現象を計測)の高感度計測(従来製品との比較で感度2万5千倍)が可能。機械、医療、建築など多くの産業分野でIoTを加速する革命的センサーとして期待される。

◎革新的構造・施工技術「構造アレスト」で実現した安全・環境性能に優れるメガコンテナ船
 受賞者:ジャパン マリンユナイテッド(株) 豊田昌信氏、木治 昇氏、鶴田健二氏/JFEスチール(株) 長谷和邦氏、半田恒久氏、大井健次氏/(株)IHI 猪瀬幸太郎氏
 概 要:造船所と製鉄所の高度なコラボレーションにより、以下3つのコンテナ船製造に関する技術が生まれた。①船体の大規模な破壊を防止する、世界初の「構造アレスト」技術、②圧廷条件の最適化、独自の厚板冷却技術による超極厚・超高張力鋼鈑の開発、③時間的、費用的にコスト削減を可能とした超高効率溶接技術により、安全性能が高く、環境性能の優れた大型コンテナ船を実現した。このことが評価され、造船業としては異例の大量受注を獲得している。

◎ビッグデータ・IoT時代を支える総ユーザーコストに優れた大容量データテープ
 受賞者:富士フイルム(株) 野口 仁氏、森田清夫氏、高野博昭氏、原澤 建氏、大野幹夫氏、浅井雅彦氏、鈴木宏幸氏
 概 要:超微粒子バリウムフェライト磁性体の粒子形成技術、それを一次粒子化するナノ分散技術、超薄層磁性層を形成する精密塗布技術、これら3つの技術開発により、世界最大記録容量を持つデータテープを開発。消費電力が少なく低コストで、安全に長期間データを保存でき、IoT時代の増大するデータストレージ需要への対応に大きく貢献した。更に、1巻当たり220TBへ高容量化が可能なことを実証しており、将来にわたってビッグデータを保管するという社会的課題に対応できる。

◎漁獲物を獲れたての鮮度で保持するための船舶搭載型シャーベット状海水氷製造機の開発
 受賞者:(株)ニッコー 佐藤 厚氏、輪嶋 史氏、菊野博昭氏/国立研究開発法人 産業技術総合研究所 稲田孝明氏/公益財団法人 函館地域産業振興財団 吉岡武也氏
 概 要:鮮度保持に優れたシャーベット状海水氷(シルクアイス)を、船上で海水から製造する製氷機を開発。国内外で40台以上を販売。魚体を傷つけずに均一に冷却することで、海外輸送後も生食が可能な鮮度を実現。農産品の鮮度保持や、レストラン、研究室などでも活用されている。製氷機は小型漁船に搭載可能なサイズで、海水温や塩分濃度の変化に即座に追従し、最適な温度帯での連続製氷が可能としたところに特徴がある。

◎植物由来生分解樹脂の世界的普及の端緒となる日本発の射出成形技術群の開発と応用製品
 受賞者:小松技術士事務所 小松道男氏/(株)豊栄工業 美和敬弘氏
 概 要:射出成形が困難で量産化が果たせなかった、生分解性樹脂・ポリ乳酸の量産加工技術を開発。金型内の温度をセンサーで計測し、結晶化と同時に製品を離型させる技術、超臨界状態で溶解した窒素や二酸化炭素による微細気泡形成や流動性改善技術など、ポリ乳酸製品を耐熱化、断熱性・軽量化、薄肉化する多様な射出成形技術群を開発。ポリ乳酸を原料とした耐熱性幼児食器および薄肉成形カップの量産化を実現し、国内外に販路を拡大している。

◎伝統技術をベースとした立体的製陶技術による文化財の複製
 受賞者:大塚オーミ陶業(株) 冨増佳晴氏、林田慎市氏、松原秀治氏、横山一夫氏、北村武裕氏、松井 順氏、溝内傳二氏
 概 要:陶板レリーフの制作において、重ね焼きしても割れることなく、かつ、寸法精度が良く、歪みが生じない高精度な形成技術と、釉薬による焼成時の表面のガラス化を制御、質感豊かに色彩を再現する技術を開発、“重ね焼きは不可能” という伝統的なヤキモノの固定概念を打破。キトラ古墳等文化財の複製等に応用するなど、半永久的な耐久性を有する新たな記録保存方法(セラミックアーカイブ)として、文化・芸術の伝承及び鑑賞方法の多様化について新たな価値を創出、触れて感じることにより、次代を担う子どもたちの豊かな感受性を養う一助として、その教育的意義にも期待。

 以下はコンバーティングに関連したもののみを紹介する。
<経済産業省関連 経済産業大臣賞>
◎フィルム等の切断現場の大幅コスト削減を実現する超硬合金素材による高精度刃物の開発
 受賞者:(株)ファインテック 秋山秀親氏、中村 城氏、永尾 暁氏、徳永賢司氏、北島龍二郎氏、増村雄彦氏、米倉研二氏
 概 要:刃先先端20nmの精度を出しながら、超硬合金の持つ硬いが故に靱性が弱い点を刃先形状の加工技術によって克服。顧客の求める切断面を「一発で切って実現する」産業用刃物が、通常存在する後工程を不要とし、劇的な工程の短縮に伴う大幅なコスト削減や長寿命を実現。自動車向け燃料電池や携帯向け高機能フィルム等の切断で、すでに世界中で実績を有する。

<経済産業省関連 特別賞>
◎超薄膜で高速性・均一性を実現するプラスチックフィルム向け機能性材料塗工装置の開発
 受賞者:富士機械工業(株) 富永保昌氏、水野孝洋氏、磯崎 徹氏
 概 要:プラスチックフィルム向け塗工装置の塗工ヘッド部(マイクロチェンバードクター)を開発した。塗工液量の調整部分(ドクターブレード)における新工法の発見により、従来品では不可能だった超薄膜と高速塗工の両立に成功し、世界No.1の薄塗りが可能になった。また、塗布されるまで塗工液が大気に触れない「密閉型」の採用により、塗工液の品質の安定化および有機物質の排出を低減し、作業の安全性にも貢献している。当装置は、リチウムイオン二次電池のセパレータ部分等、広い分野で応用が期待されている。

◎両親媒性を有するACCナノセルロース「nanoforest」の開発と実用化
 受賞者:中越パルプ工業(株) 坪井国雄氏、橋場洋美氏、才田英明氏、疋田慎一氏、辻 翼氏/ 九州大学 近藤哲男氏
 概 要:竹など生物材料のナノ微細化を水だけで行う、環境に優しい独自手法(ACC法)を開発、実用化。ACC法のナノセルロースは親水性と疎水性の両方を示し、一般に困難なPP樹脂との複合化に化学修飾無しで成功。本技術はナノセルロース複合樹脂への展開に加え、安心安全が要求される食品、化粧品、医療品等分野への応用展開の可能性が高く、ナノセルロースの普及拡大に期待。

◎ナノ粒子のダメージレス分散を実現する湿式微粒化装置「G-smasher」の開発
 受賞者:リックス(株) 森光孝典氏、加藤隆司氏、星野高明氏、大石和義氏/熊本大学 波多英寛氏/福岡県 牧野晃久氏/福岡県工業技術センター 周善寺清隆氏
 概 要:二次電池用電極材料、微細配線用金属材料、触媒、医薬品など様々な分野で利用が進むナノ粒子をダメージレス、コンタミ(不純物)レス、無発熱で分散する技術を世界で初めて実現。日本の高機能素材業界における先端材料の開発、製造に使用されており、自動車や電機製品製造業など、産業全体の発展へと波及が期待される他、省資源・省エネルギーにも貢献。

◎世界初の革新的な塗装方法により、従来比工程数1/10を実現した、高耐久性塗装鏡面家具の開発
 受賞者:(株)イシモクコーポレーション 石井康博氏、高松 守氏/辻製陶所 山田健太郎氏/福岡県工業技術センター 竹内和敏氏
 概 要:キッチン等の建材に使用される塗装鏡面の革新的量産技術を確立。従来の職人手作業と比べ工程数は1/10の3工程、コストは従来比1/5を実現し、かつ経年変化に対する耐久性を大幅に改良した。建材大手企業への採用をはじめ、アジアを中心とした海外への販路拡大を推進中。本鏡面製品を地場企業へ供給し、競争力を持った製品を市場へ投入することで、家具の町大川の再興への貢献に期待。  


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