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【自動車由来樹脂】豊田通商、リサイクル可能性実証事業を本格的に開始

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 豊田通商(株)は、(株)矢野経済研究所およびいその(株)と共同で、自動車由来樹脂リサイクル可能性実証事業を本格的に開始する。実証事業期間は、2017年度から2019年度の3カ年を計画しており、初年度である今年は、1月から、自動車メーカーにより樹脂種別、グレード、難燃剤などの使用状況の情報提供を受けて回収候補部品を選定し、3月1日より使用済自動車から樹脂由来の部品を取り出し、破砕・粉砕した樹脂部品の劣化度合などの検証までを行う。

2018 03 01 toyota tsusho

1.背景

 実証は、自動車リサイクルに関わる審議会などで提言されている「自動車リサイクルの高度化及び自動車ユーザーのリサイクル料金負担低減」に資する実証事業として、公益財団法人自動車リサイクル高度化財団による「平成29年度自動車リサイクルの高度化等に資する調査・研究・実証等に係る助成事業」に採択されたもの。

 自動車に使用されている樹脂は、取り外しのコスト高や、経年劣化、物量確保の難しさなどから、再生樹脂として利用されず、サーマルリサイクルされることが主流。現在、自動車に採用されている樹脂の重量比は、2011年と比較して約12%程度増となっており、発生するASR(※1)のうち樹脂部品が占める割合は約33%。今後、自動車の軽量化が進むことで樹脂の使用増が見込まれ、最適なリサイクル方法の開発が課題とされている。

2.目的

 実証は、使用済自動車に含まれる樹脂部品・素材を可能な限り素材としてリサイクルし、持続可能な形で資源の有効利用を行うための課題抽出およびその解決策の検討を目指す。仮にASRが10kg/台削減されれば、ASRリサイクル費用が約18%削減されることになり、リサイクル料金のユーザー負担軽減にもつながる。

※1 ASR…Automotive Shredder Residue (自動車破砕残さ)

3.具体的な実証内容

 自動車メーカーにて選定された候補部品について、部品取り外しおよび異物除去にかかわる工数や解体時の課題を抽出するために、中部地区の協力解体業者※2で使用済自動車約1000台の解体を行い、豊田通商にてデータを収集する。また、品質検証では、取り外した樹脂部品の劣化度合等をいそので検証し、得られたデータおよび解決すべき課題のまとめを矢野経済研究所にて実施する。来年度以降は、得られた課題に対して、効率的な解体方法などの取り外し工数の低減を検討するほか、新たに輸送時のコスト低減方法などを検討する。

 豊田通商は、使用済自動車から金属や非金属などを回収するリサイクル事業を半世紀にわたり国内外で行っており、金属資源の確保・適正処理・環境問題への対応に注力してきた。本実証事業を通じ、樹脂の有効活用にも貢献していく。

 

※2 解体業者一覧(50音順)

  ・小林商店
  ・城北自動車興業株式会社
  ・ニュー岩田株式会社
  ・有限会社丸大産業
  ・有限会社森田車輌
  ・株式会社山内商店


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