凸版印刷(株)は、横格子型で透過性のある高輝度LEDサイネージ「TOPPANメッシュビジョン」を開発した。大型商業施設や流通・アパレル・自動車・金融業界などに向け、2017年3月中旬より販売を開始する。
同製品は、長方形の横格子型モジュールを組み合わせることで、自由な大きさに設計できるデジタルサイネージ。横格子形状のため店内外からの視認性や採光性を保持しており、既存のショーウインドウなどへの設置に適している。また、従来の同等機能を持つLEDディスプレイと比較して約3分の1と軽量で設置工事も容易なため、自立型はもちろん、専用金具を用いた吊り下げ型での設置も可能。さらに、液晶型やプロジェクタ型と比較して高輝度なため、直射日光が当たる場所でも十分な訴求力を発揮する。さらに、身体の動きや音声などさまざまなセンサーと組み合わせて表示を変えることもできるため、映像と空間とを一体化させた総合的な店頭空間の演出が可能。
なお、同製品は、2017年3月7日(火)から10日(金)まで開催される「リテールテックJAPAN 2017」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースで紹介される。
■ 開発の背景
大型商業施設や流通、アパレル、自動車、金融業界などの店舗において、訴求力向上のため、店頭メディアの大型化が進んでおり、特にデジタルサイネージの活用が活性化している。
デジタルサイネージには大きく分けてプロジェクタ投影型・液晶型・LED型の3種がある。プロジェクタ投影型は、大型で設置は容易なものの照度が低いため設置場所に制限があり、また液晶型はサイズが小さく、マルチディスプレイ化できるものの屋外向きに設置するには輝度が不足していた。LED型は高輝度で屋外向きにも訴求可能だが、高額で重量があり、設置工事も大がかりでコストが高いといった課題があった。
凸版印刷は従来、プロモーション企画からデジタルサイネージの設計・開発、サイネージ向けのコンテンツ制作や配信・運用、効果測定までをワンストップで提供。店頭での顧客接点向上に向けたソリューションを提供している。
今回、透過性のある横格子形状で高輝度なLEDサイネージ「TOPPANメッシュビジョン」を開発。従来培ってきた店頭コミュニケーション支援のノウハウをもとに、映像と空間とを一体化させた、新しい店頭プロモーション手法を提供する。
■ 「TOPPANメッシュビジョン」の特長
・店内外の見通しや採光を維持 格子形状のため、デジタルサイネージの機能はそのままに、約70%の透過性を実現。固定設置型ディスプレイでありながら内外の見通しや採光を維持できる。これにより、ショーウインドウに設置した場合も店内側を透けてみることができ、また店内からは屋外の採光を維持したまま、ディスプレイとしての使用が可能。
・軽量で設置が容易 従来の大型LEDサイネージと比較して約3分の1と軽量なため設置工事が容易で、既存のショーウインドウへの設置も可能。
・屋外向きの明るい場所にも設置可能 約5,500カンデラの高輝度により、屋外向きの明るい場所にも設置できる。
・光点ピッチの選択が可能 視聴距離や設置環境に応じ、光点ピッチを5mm、7.5mm、10mmなど、ニーズに合わせてラインアップを拡充していく予定。
・インタラクティブな演出が可能 身体の動きや音声などさまざまなセンサーと組み合わせて映像コンテンツを変化させることで、ショーウインドウの中と外の演出をインタラクティブに変化させることが可能。
■ 仕様 (※5mmピッチモデルの場合)
ピクセルピッチ | 5mm |
輝度 | 5500cd/㎡ |
透過率 | 約70% |
モジュール寸法 | W:960mm×H:640mm |
モジュール解像度 | 96dot×40dot |
平均消費電力 | 130W/パネル |
最大消費電力 | 400W/パネル |
リフレッシュレート | 1920Hz |
重量 | 14kg/㎡ |
使用可能温度 | 0~50度 |
価格は、1ユニット(W:960mm×H:640mm)約90万円~(※寸法・表示内容・施工内容に応じて見積)。今後は、2017年度に約20億円の売上を目指す。