大日本印刷(株)(DNP)は、通信用の高感度なアンテナとして使用する、線幅1ミクロン(μm=マイクロメートル=10-6メートル)の金属メッシュをフィルム形状にした「超微細金属メッシュ配線フィルム」を開発した。
透明なフィルムに配線を組み込んだ製品特性を活かして、次世代スマートフォンの表示画面にも貼付できるため、アンテナを機器内部に格納する必要がなくなり、機器の高機能化と小型化に対応する。
超微細金属メッシュ配線フィルム(拡大イメージ)
【背景】
こうした課題に対してDNPは、長年培ってきたフォトリソグラフィ技術を活用して、スマートフォンの内部ではなく、ディスプレーに貼付しても、画面の見え方を損なわずに、アンテナとして機能する透明な超微細配線フィルムを開発した。
【開発した超微細金属メッシュ配線フィルムの概要】
今回DNPが開発した超微細金属メッシュ配線フィルムは、現行のスマートフォンのアンテナと同等レベルの性能を実現する。
基材となるフィルム上に金属(銅)の超微細パターンを形成しており、線幅を縦横各1μm(100μmピッチメッシュ)以下とすることで、目視では確認できないため、スマートフォン画面の視認性を損わない。
また、銅は他の金属に比べてシート抵抗が低いことから、超微細な線幅(1μm)でも、アンテナに適したシート抵抗(2Ω/□)を実現している。
【今後の展開】
DNPは、この超微細金属メッシュ配線フィルムをスマートフォンメーカーなどに提供していく計画。なお、同社は、5月14日~16日にアメリカのサンノゼで開催されたディスプレーの学会「SID 2019」のDNPブースで、今回開発した超微細金属メッシュ配線フィルムを紹介した。