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【低炭素・循環型経済】HP、「2018サステナブルインパクトレポート」発表。サズテナブルインパクトプログラムにより9億ドル以上の新たな収益創出

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 HP Inc.(以下「HP」)は、「2018サステナブルインパクトレポート」を発表し、同社のプリンティングとパーソナルシステムズの製品ポートフォリオで使用する再生プラスチックの割合を2025年までに30%まで増やすとする目標と、同分野における長年のリーダーシップを継続していくことをレポートに記載した。同レポートは、HPの取り組みの進捗と、地球(Planet)、人々(People)、地域社会(Community)の3つの分野への投資から得られるビジネス上のメリットについて記載している。HPは、サステナブルインパクトプログラムを通じて、2018年に前年比35%増の9億7,200万ドル以上の新たな収益を創出した。
 HPのディオン・ワイズラー(Dion Weisler)社長兼CEOは次のように述べている。
 「社会的な課題の解決において、企業は非常に重要な役割を担っています。HPは、変化するこの世界のニーズに対応するため、変革を続けています。これは、行ったほうがよいということではなく、ビジネスに不可欠なことです。単に製品を販売するだけでなく目的意識を持って行動する企業は、お客様、株主、社会全体にとって最大の価値を生み出します。当社はパートナーと協力し、これまでの取り組みをもとに、今日の課題を明日のチャンスに変える革新的な方法を追求していきます」
 
世界的なプラスチック廃棄物の問題に対処
 HPの再生プラスチックに関する新たな目標は、同分野における長年のリーダーシップを基盤としている。HPは、2018年に2万1,250トンの再生プラスチックを製品に使用した。その内訳は、パーソナルシステムズ製品に8,000トン以上(2017年から3.5%増)、プリンティング製品に4,700トン以上(2017年から280%増)、オリジナルのHPインクとトナーカートリッジに8,000トン以上など。
 HPのサステナブルインパクト最高責任者のネイト・ハースト(Nate Hurst)氏は次のように述べている。
 「世界中の人々の暮らしを豊かにするための新たな方法を見いだすためには、ビジネスのあらゆる側面を見直す必要があります。当社は、より効率的で低炭素・循環型経済の推進に向けてビジネスを変革する取り組みの一環として、再生プラスチックを使用した耐久性の高い優れた製品を製造しています。たとえわずかな前進であっても、グローバルに拡大することで多大なインパクトを与えることができます」
 この取り組みの一環として、HPは使用済みプラスチックが河川や海洋に流出するのを防ぐために、インパクトソーシングの取り組みへの投資と拡充を続けている。HPはすでに約70万ポンドの海洋プラスチック素材(ボトルにして2,500万本以上)を調達し、それをHPのカートリッジやハードウェアの製造に使用している。HPは今年、海洋プラスチックを使用した世界初のディスプレイ「HP EliteDisplay E273d」を発表した(*2)。HPはまた、NextWave Plasticsをはじめとするパートナーと協力して、海洋プラスチックサプライチェーンの初のグローバルなネットワークを構築し、海洋プラスチックの利用拡大に取り組んでいく。
 HPは、ジョージア大学のジェナ・ジャンベック(Jenna Jambeck)博士とクリス・クオモ(Chris Cuomo)博士とのパートナーシップの下、海洋プラスチックのリサイクルと廃棄物管理における女性の重要な働きに関する画期的な調査を後援している。プラスチック再生の現場で働く女性の経験に焦点を当てたこの調査は、今後のプロジェクトや、非公式な廃棄物収集、海洋プラスチックサプライチェーンの構築、世界の男女同権の推進といった取り組みのベースとなる。調査は現在進行中で、2020年初頭に発表される予定。

より少ないインパクトで、顧客がより多くのことをできるように
 HPは先ごろ、ELLE誌とのサステナブルな出版パートナーシップを発表した。このパートナーシップにより、HPの印刷機のオンデマンド機能を活用し、表紙には100%再生素材、中のページには30%の再生素材をそれぞれ使用した、業界初のサステナブルなファッション誌を提供する。
 また、HPは、歯科遠隔診療のパイオニアで、医師がリモートで指導するクリアアライナー(透明マウスピース)矯正分野における市場リーダーであるSmileDirectClubとの革新的なパートナーシップも発表した。SmileDirectClubは、デジタルの活用が特長で、HPのJet Fusion 3Dプリンティングソリューションを活用し、クリアアライナーの高速製造を拡大し、HP Multi Jet Fusion 3Dプリンターで造形するパーツの米国内で最大の製造者。HPとSmileDirectClubは協業拡大の一環として、新しいリサイクルプログラムも発表した。このプログラムでは、再利用ができなくなった3Dプリンティング用材料と、すでに加工したプラスチック製マウスピース型をHPがリサイクルし、従来の射出成形機用のペレットにすることで、よりサステナブルな製造を実現する。

ダイバーシティ&インクルージョンのスタンダードを刷新
 HPではトップの経営陣からダイバーシティ&インクルージョンを実践しており、米国のテクノロジー企業の中で最も多様性のある取締役会となっている。HPは、多様な人材の採用に積極的に取り組んでおり、2018年には米国の新規採用者の59%が女性やマイノリティであった。HPは、この取り組みをサプライヤーとの取引にも拡大している。2018年には、小規模企業との取引は4億2,300万ドル(*3)、マイノリティおよび女性がオーナーの企業との取引は2億1,900万ドルに達した(*4)(*5)。

活気にあふれた地域社会をあらゆる場所に構築
 教育は基本的人権であり、テクノロジーは教育の格差を埋め、マイノリティや社会から取り残されたコミュニティに等しくリーチする上で役立つ手段であるとHPは考えている。HPは、2025年までに1億人のより良い学習成果を実現するという目標を向けて、2017年までに2,100万人以上の学生と成人学習者を支援した。
 HPはボランティア活動、企業としての寄付活動、HP財団のプログラムを通じて、我々が生活し、働き、ビジネスを展開している地域社会に好ましい変化をもたらすきっかけを提供することを目指している。HPの従業員のボランティア時間は、2017年比で62%増加し、6,400人の従業員が48カ国で約14万時間(価値にして430万ドル(*6))を地域ボランティア活動に費やした。またHPは、HP財団および従業員による寄付で2,321万ドルを地域社会に寄付した。HPは、2016年~25年にかけてHP財団と従業員による寄付を合わせて1億ドルを地域社会に寄付することを約束している(*7)。

 「2018サステナブルインパクトレポート」は、パロアルトのHP本社で開催されるMIT Solveathonで発表される。MIT Solveのスタッフが運営し、HPのイノベーター、研究者、クリエイティブ思想家が支援するこのイベントは、Solveの循環型経済の課題に対応して、ベイエリアの地域社会から斬新なアイデアを生み出し、解決策を向上させることに重点を置いている。

*1:レポート対象年に出荷されたHPのパーソナルシステムズおよびプリンティングのハードウェアとカートリッジに使用される全プラスチックに含まれる再生プラスチックの割合。全重量には、ブランドライセンス製品とアフターサービス用ハードウェアアクセサリは含まない。再生プラスチックには、使用済み再生プラスチック、クローズドループプラスチック、HP製品に使用される海洋プラスチックを含む。パーソナルシステムズ製品に使用されるプラスチックの定義はEPEAT(R)エコラベル基準による。再生および/または再生原料に回される材料の使用および流通に関する規制に基づく。
*2:1台のディスプレイには海洋プラスチック樹脂を約5%含む(再生プラスチックを使用した16オンスの飲料水ボトル3本以上に相当)。
*3:9月30日を年度末とする12カ月が対象。2016年の数値は米国ベースのビジネスにおける米国、プエルトリコ、カナダ、欧州、アジアでの購入が対象であり、2015年11月1日のヒューレット・パッカードカンパニー分社前の1カ月の支出を含む。2017年および2018年の数値は米国ベースのビジネスにおける米国およびプエルトリコでの購入が対象。
*4:サプライヤーは、マイノリティまたは女性がオーナーの企業に分類され、その両方を兼ねた分類はない。この分類はすべての規模の企業を含む。
*5:9月30日を年度末とする12カ月が対象。2016年の数値は米国ベースのビジネスにおける米国、プエルトリコ、カナダ、欧州、アジアでの購入が対象であり、2015年11月1日のヒューレット・パッカード カンパニー分社前の1カ月の支出を含む。2017年および2018年の数値は米国ベースのビジネスにおける米国およびプエルトリコでの購入が対象。
*6:ボランティアの種類により異なる時間レートで算出。役員、サービス会社、プロボノや専門知識が必要な分野は1時間150ドル、現場作業および不確定作業は1時間24.69ドル。各国の購買力の差異に関する世界銀行のデータを用いて調整。
*7:従業員のボランティア時間の評価額、従業員による寄付、HP財団によるマッチング、HP財団による助成金を含む。


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