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【5G】LGイノテック、車載用通信モジュール開発

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 LGイノテック(LG Innotek)は10月16日、5G(5th Generation、第5世代)クアルコムチップベースの車載用通信モジュールを開発したと発表した。クアルコムチップを使用した「車載用の5G通信モジュール」を実際の車載に採用できるレベルまで開発したのは、LGイノテックが初めて。
SnapCrab NoName 2019 10 17 10 13 2 No 00 R 「車載用5G通信モジュール」は、5G(第5世代)移動通信技術を使って、車載と基地局間でデータを送受信して無線ネットワークに接続できるようにする部品。通信チップ、メモリ、RF(Radio Frequency、無線周波数)回路等を結合したモジュールタイプであり、主に車載内部やルーフ部分の車載通信機器に搭載される。
 同モジュールを採用すると、リアルタイムでの道路情報共有、精密な位置測定、V2X(Vehicle-to-Everything、車載・事物間の通信)、大容量データ送信等が可能となる。運転者の介入が必要ない、完全な自律走行のための核心機能が確保されることになる。
 これまで車載関連企業は、自律走行車の核心部品である5G通信モジュールの開発に注力してきた。特に5Gの通信チップ市場で占有率1位であるクアルコムチップベースのモジュール開発において激しく競争してきた。しかし、5G技術は高周波帯域を使用するため、LTE(Long Term Evolution、4G移動通信技術)に比べて信号損失が大きく、高容量データ送信による発熱量が多く、車載通信モジュールに採用することは簡単ではなかった。
 LGイノテックは、オリジナルのRF回路設計技術と超精密∙高集積モジュール化技術、熱に強い新素材採用等で、「車載用の5G通信モジュール」開発で一歩先に進むことに成功した。これでLGイノテックは、車載通信の部品市場で有利な立場になった。
 LGイノテックの「車載用の5G通信モジュール」は、レイトンシが1ms(ミリセカンド)である0.001秒で、対LTEモジュール比は1/10レベルである。レイトンシとは、データが車載と基地局の間を行き来することにかかる時間のことで、例えば、時速100kmで走っていた自律走行車が障害物を認識した後、緊急ブレーキ機能を発動させる場合、LTEモジュールでは車載が1.4m動いてからブレーキがかかり始めるが、5Gモジュールでは、レイトンシが早く、2.8cm移動してからすぐブレーキがかかる。
 また、本製品は耐熱性を強化した。5Gの特徴である高い発熱量と車載ルーフの直射日光でも変形しにくい。温度変化に敏感ではないプラスチック系の新素材を使用して素材の硬化および塗布過程で新しい工法を採用した。
 LGイノテックの「車載用の5G通信モジュール」は、クレジットカードの半分程度のサイズで小さく、スリムなデザインである。横40✕縦50✕幅3.5mmで、車載内外のどの位置でも搭載しやすい。LGイノテックならではの高集積、超精密技術で通信チップ、メモリ、RF回路、C-V2Xモジュール等約480個の部品をすべて搭載した。
 モジュール採用の便利性も向上した。LTEモジュールと互換できるため、システム設計を変えることなくLTEモジュールを5Gモジュールに交換するだけで済む。5Gモジュールに最適化されたソフトウェアも合わせて提供される。また、世界移動通信標準化技術協力機構(3GPP、3rd Generation Partnership Project)の最新5G標準(3GPP Release 15)基づいているため、車種に関係なく使用できる。
 LGイノテックの関係者は、「『車載用の5G通信モジュール』の開発で完成車企業は完全な自律走行車及びコネクテッドカーの商用化に、より拍車をかけることができる」と述べ、「運転者へ便利かつ安全で楽しい走行経験を提供できる革新製品を提供し続ける」と語っている。
 

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