<2019年10月21日、イタリア・ボラーテ発>ソルベイはK2019において、業界初の真の耐熱性PEEKであるキータスパイア(r) PEEK XTを発表した。この革新的な製品は、標準的なPEEKの耐薬品性に加え、高温状態での強度と剛性が大幅に高くなっている。 ソルベイのキータスパイア(r) ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)XTは、PEEKと同等の傑出した耐薬品性に加えて、標準的なPEEKに比べてガラス転移温度が20℃、溶融温度が45℃高くなっている。他の耐熱性ポリケトンもキータスパイア(r) PEEK XTに匹敵する熱特性を示すが、耐薬品性はPEEKやキータスパイア(r) PEEK XTに大きく劣る。
「この樹脂は、PEEKのエーテル/ケトン比率を維持しながら、熱性能と機械的性能を大幅に向上させることができため、耐薬品性に優れています」と、ソルベイのSpecialty Polymers Global Business Unitでultra-polymers business managerを務めるDoug Brademeyer氏は述べている。
真のPEEK樹脂のエーテル/ケトン比率は2:1。ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)を含むその他の高温ポリケトンでは、この比率が変わるため、真のPEEK樹脂とは言えない。
ソルベイの新しいキータスパイア(r) PEEK XT樹脂では、ガラス転移温度が170℃であり、20℃高い溶融温度で、標準的なPEEKと同様の加工が可能。キータスパイア(r) PEEK XTは、標準のPEEKに比べて高温状態での強度と剛性に大幅に優れており、160℃で、引張弾性率が400%、引張強度が約50%高くなる。
さらに、キータスパイア(r) PEEK XTでは250℃での電気特性が標準のPEEKよりも大幅に向上しており、絶縁耐力は50%高く、体積抵抗率は一桁高い値を示す。
キータスパイア(r) PEEK XTシリーズは、ニートレジン、30%のガラス繊維強化、30%の炭素繊維強化の射出成形と押出グレードを準備しており、世界各国で発売されている。また圧縮成形向けの微粉末、コンパウンディング向けの粗粉末でも提供している。キータスパイア(r) PEEK XTは、PEK、PEKEKK、PEKKに比べて優れた加工性、溶融安定性、高温耐薬品性を特徴とする。この新素材に適した産業分野としては、石油・ガス、電気、ワイヤコーティング、自動車などが挙げられる。
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【PEEK】ソルベイ、K2019で「キータスパイア PEEK XT」発表
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