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【プラスチック】日本ゼオン、医薬用COPにおける低吸着性について学会発表

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 日本ゼオン(株)はこのたび、スウェーデンのイェーテボリで開催されたプレフィルドシリンジに関する学術大会「2019 The Universe of Pre-filled Syringes and Injection Devices/Parenteral Drug Association」にて、バイオ医薬品におけるプレフィルドシリンジ製剤の安定性について発表した。同社のシクロオレフィンポリマー(COP、製品名:ZEONEX®、ZEONOR®)製シリンジを用いることで、バイオ医薬品製剤の吸着・凝集が抑制されるという結果が得られており、その研究成果についての発表となった。同大会は10月22日から23日にかけて、開催された。
 近年、抗体医薬品をはじめとしたバイオ医薬品は医薬品市場で急速に成長している。ガラス製シリンジを用いたバイオ医薬品の保管においては、その主成分であるタンパク質に影響を及ぼし凝集体の発生が懸念されている。一方、COPはガラスに比べ、タンパクの吸着・凝集が抑制することが知られており、プレフィルドシリンジ※1をはじめとする、バイオ医薬品に適用する材料として期待されている。
 日本ゼオンは(株)ユーメディコおよび大阪大学 内山 進教授との共同研究のもと、COPをプレフィルドシリンジに用いた場合のタンパク製剤の吸着、および、凝集体の発生について研究を進めてきた。
 これまでに、タンパク製剤であるAdalimumab(Humira®)、Etanercept(Enbrel®)、Infliximab(Remicade®)を用いて、既存材質製およびCOP製のプレフィルドシリンジ中のシリンジバレル表面への吸着性・凝集性を比較し、COPが低吸着性・低凝集性であることを報告している。
<論文への詳細リンク https://doi.org/10.1016/j.xphs.2018.01.021
 さらに今回、同様にタンパク製剤であるAbatacept(Orencia®)のシリンジバレル表面への吸着量と凝集体の発生状況を比較したところ、COP製のプレフィルドシリンジにオレンシアを充填した場合、吸着量および凝集体発生量が、既存材質製に比べて、抑制されるという結果が得られた。本発表では凝集体の発生状況についても報告した。
 なお、本研究に関連しては今年5月、FDAの下部組織であるバイオテクノロジー製品部(Office of Biotechnology Products、略称:OBP)でもプレゼンテーションを実施している。
http://www.zeon.co.jp/press/190712.html
※1 プレフィルドシリンジ
 感染の危険除去や投与量調整の過誤軽減を主な目的として、薬剤があらかじめ充填された注射器


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