(株)三菱ケミカルホールディングスは、米国シリコンバレーに設立したCVC子会社であるDiamond Edge Ventures, Inc.(所在地:米国カリフォルニア州、社長:Patrick Suel、以下「DEV」)を通じ、独自の3Dプリンター技術により新たなソリューションを提供するAddiFab ApS(所在地:デンマーク・ジリンジ、CEO:Lasse Staal、以下「AddiFab」)に出資した。本出資と共にDEVの社長であるPatrick Suel氏はAddiFabの取締役に就任する。
AddiFabは3Dプリンター、3Dプリンター用後処理装置、ソフトウェア、材料を開発・製造するスタートアップ。同社の主力プラットフォームであるフリーフォーム射出成形(FIMTM)は、同社3Dプリンターにより樹脂金型を形成、その金型を使って射出成形を行い、最後に金型材料を除去する成形方法。今まで不可能だった複雑な形状の部品設計や、成形が難しいエンジニアリングプラスチックなども射出成形することが可能になり、従来にない多種多様な特性、形状の部品を製造することができる。
AddiFabは、既にゴム、熱可塑性プラスチック、セラミック、超硬合金等の加工にFIMTMが適用できることを示しており、さらにその材料を順次増やしている。三菱ケミカルホールディングスグループが保有する幅広い機能性ポリマー(DIAKON®, KyronMAX™, Ketron®, Tefabloc™, Trexprene™など)も、FIMTMに適用できることが確認されている。今後、事業会社の三菱ケミカルとの連携によりさらにその材料を増やしていく予定。
三菱ケミカルホールディングスは、2018年7月に米国シリコンバレーにDEVを設立し、三菱ケミカルホールディングスグループ事業に新たな成長をもたらすテクノロジーやビジネスモデルを持つスタートアップ企業との戦略的パートナーシップを進めているが、AddiFabへの出資はその第三号案件となる。
DEV社長のPatrick Suel氏は次にようにコメントしている。
「DEVのこのたびの出資は、当社グループが3Dプリンター分野において積極的に事業展開していく意思を反映しています。FIM™は、射出成形の均一性、信頼性に加え、3Dプリンターによるフレキシビリティとスピードを顧客に提供することができます。当社が自動車向けや医療用に展開する樹脂について、FIM™を適用することで今後のさらなる展開を期待しています」
AddiFab CEOのLasse Staal氏は次のようにコメントしている。
「エンジニアリングプラスチックや高機能樹脂に強みを持つ三菱ケミカルホールディングスグループによる今回の出資や今後の連携は、FIMTMをグローバルに展開するにあたり重要となるエコシステムの醸成に寄与すると期待しています。また、三菱ケミカルとの連携により、FIMTMのプラットフォームを強化すると同時に、この革新的なテクノロジーの市場への浸透を加速させることができます」
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【3Dプリンティング技術+射出成形】三菱ケミカルホールディングス、デンマークのAddiFab社に出資
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