【アンモニア】昭和電工、2020年4月1日納入分より値上げ

　昭和電工（株）は､2020年4月1日納入分よりアンモニアの国内販売価格を値上げすべく、顧客との交渉を開始する。
　値上げ幅は次の通り。
　液化アンモニア　ローリー扱い　20円／kg以上
　液化アンモニア　ボンベ扱い　　40円／kg以上
　アンモニア水　ローリー扱い　　 8円／kg以上
　アンモニア事業は、ローリー乗務員の慢性的不足や専用船舶の老朽化に加え、国内中継基地の廃止など物流網の構造変化の影響を大きく受けており、安定供給のための物流コストが年々高騰している。また、生産設備の維持・更新費用も増大しており、採算性が悪化している。同社では製造原価低減や物流の効率化などを積み重ね、コストダウンに努めてきたが、自助努力での対応の限界を超えている。このため、製品の安定供給・生産体制を維持するためには、コスト上昇の一部負担をお願いせざるを得ないとの結論に達した。
　液化アンモニアは、ナイロンやアクリロニトリル等の合成繊維原料、火力発電所等の排煙に含まれる窒素酸化物（NOx）の除去、自動車・建設機械部品の金属表面処理などの一般工業用途や肥料用途などに幅広く使用されている。またアンモニア水は、地方自治体が運営する清掃工場の排煙に含まれるNOxの除去に使用されている。同社の川崎事業所は、関東以北で外販比率の高い液化アンモニアの製造拠点として、船舶、タンクローリーによる大量輸送からボンベによる小口販売まで、さまざまなニーズに応えられる供給体制を整えており、今後も国内での安全安定操業に努めていく。