BASFは、Methylene Bis-Benzotriazolyl Tetramethylbutylphenol(メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール:MBBT)がナノサイズの紫外線吸収剤として、EU Cosmetic Regulation (EU化粧品規制)の付属文書VIに正式に収載されたことを発表した。MBBTはBASFの製品Tinosorb®(チノソーブ)Mに使用されている成分。BASF欧州のパーソナルケアソリューション部門、ビジネスマネジメント担当バイスプレジデントのディルク・マンペ氏は、「日焼けやしわの早期発現、そして頻繁に強烈な紫外線にさらされることによる皮膚がんリスクの上昇など、紫外線による弊害から皮膚を保護するために、BASFは世界最大のサプライヤーとして高性能で安全な紫外線吸収剤を供給しています。当社の幅広いサンケア製品ポートフォリオにおいて、Tinosorb® Mは重要な役割を果たしており、世界中の多くの消費者製品に使用されることにより、長年にわたりその有効性が証明されています。この長い移行期間を経て、ようやくナノフォームのMBBTがEUで承認されたことを嬉しく思います」と述べている。
Tinosorb® Mは、MBBTが化粧品用UV有効成分として承認された2000年に市場に投入され、その後幅広く使用されており、これまで変更は加えられていなかった。しかし、2009年にEUの化粧品法規制が変更になったことから(Regulation (EC) No.1223/2009)、ナノフォームの製品に関して追加承認が必要となった。2015年、消費者安全科学委員会(Scientific Committee on Consumer Safety, SCCS)はMBBT(ナノ)の安全性に関する前向きな科学的見解を発表した。その後、各EU加盟国から追加で提起された問題を評価し、2018年1月に先の見解を再確認した。Tinosorb® Mは、2014年に承認されたTinosorb® A2B、2016年に承認されたZ-Cote®に続き、欧州での化粧品への使用を承認されたBASFで3番目のナノフォーム紫外線吸収剤。
Tinosorb® Mは18年間にわたり、広域スペクトルの紫外線保護におけるベンチマークの役割を果たしてきた。有機微粒子として初めて登場した紫外線吸収剤であり、紫外線保護の効果を高める。SPFを高めるだけでなく、UVBからUVA I、可視光(280~400nm)までの非常に幅広い吸収域を網羅している。この成分は粒径が小さくなるほど吸収効率が上がるため、微粒子という形で提供されている。
Tinosorb® Mは光安定性があるだけでなく、低濃度でも非常に効率が高く、保存料なしでも安定性を保ち、低温での処方が可能。水性ディスパージョンとして、日焼け止め製品の水相に容易に処方できるため、EU推奨のUVA保護が油相を減らした形で可能になる。これにより、Tinosorb® Mを使った処方に軽いテクスチャーを与え、快適でべたつかない使い心地を実現する。
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【化粧品】BASF、ナノサイズの紫外線吸収剤のEU承認を歓迎
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