Quantcast
Channel: NEWS
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7567

【国内消費財サプライチェーン】NEDO、電子タグを活用した関連事業者間での商品情報共有の効果検証を実施

$
0
0

 小売業界では生産性向上を目的として、店舗で販売する商品に電子タグ(RFID)を貼り付けて個品管理し、棚卸し業務の効率化やレジ作業の省力化を図る動きが広がりつつある。一方で、サプライチェーン全体では、古い商習慣に基づくルールが残っていることや、IoTや人工知能(AI)など先進技術の導入の遅れにより、返品・食品ロスなどの課題を抱えている。人手不足が深刻化する中、このままでは、社会基盤としての流通システムを維持することが困難となり、国民生活や国内企業の産業競争力に悪影響を与える可能性がある。
 こうした状況をふまえ、経済産業省は、2017年4月に「コンビニ電子タグ1000億枚宣言※1」、2018年3月に「ドラッグストア スマート化宣言※2」を策定し、サプライチェーン全体での情報共有化による過剰生産防止や食品ロス削減につながる取り組みをConnected Industries政策の一環として推進している。
 また、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年度に食品・日用品などのメーカー、卸売、物流センター、コンビニ、システム開発会社の協力を得て、RFIDを活用したサプライチェーン情報共有システムの実証実験※3を2018年2月に実施した。実証実験では、試作した情報共有システムを使い、商品情報の取得・活用の有効性を検証した。
 昨年度の結果を踏まえ、NEDOは、サプライチェーン全体でのメリットの創出を目指し、以下の研究開発事業を2018年度末まで実施する。
 メーカーやコンビニ・ドラッグストアなどの協力企業とともに、消費財サプライチェーンにおけるRFIDの有用性を検討する。今回は有用性の検討対象を消費者の領域まで広げ、商品購入前後の行動分析への活用も想定することで、消費者の利便性向上についても検討する。
 国際標準規格であるEPCIS※4に準拠した情報共有システムを構築する。より社会実装に近い環境で実験を行うため、各協力企業が個別のEPCISを持つことを想定し、複数のEPCIS間のデータ共有モデルを策定する。
 以上の検討結果などを踏まえ、RFIDを貼り付けた商品をサプライチェーン上に流通させ、取得データの共有を行う実証実験を2018年度中に実施し、構築したシステムの有用性を検証する。
SnapCrab NoName 2018 8 23 10 52 44 No 00 R
<事業内容>
事業名:IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業
    研究開発項目[5]IoT技術を活用した新たなサプライチェーン情報共有システムの開発/国内消費財サプライチェーンの効率化
実施期間:2018年度
予 算:約2億円
委託予定先:大日本印刷(株)
※1 コンビニ電子タグ1000億枚宣言
 経済産業省とコンビニ5社の(株)セブン‐イレブン・ジャパン、(株)ファミリーマート、(株)ローソン、ミニストップ(株)、(株)JR東日本リテールネットが、2025年までに全ての取扱商品(推計1000億個/年)に電子タグを利用することについて、一定の条件の下で合意したもの。
※2 ドラッグストア スマート化宣言
 経済産業省と日本チェーンドラッグストア協会が、スマートストアの実現に向けて、2025年までに取扱商品に電子タグを利用することについて、一定の条件の下で合意したもの。
※3 RFIDを活用したサプライチェーン情報共有システムの実証実験
※4 EPCIS(Electronic Product Code Information Services)
 サプライチェーンの可視化を行うため、商品の移動情報などをコンピュータ・サーバー上に蓄え、共有するための仕様。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7567

Trending Articles