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【Package】大日本印刷、リサイクルに適した単一素材(モノマテリアル)のフィルムパッケージを開発。リサイクル業者等とリサイクル技術や仕組みの構築にも取組み、海洋汚染の低減に貢献

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  大日本印刷(株)(以下:DNP)は、食品や日用品などに使用されるフィルムパッケージ向けに、よりリサイクルしやすい単一素材(モノマテリアル)で構成したパッケージ2種を開発した。
 今回、洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に最適なポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを開発した。

モノマテリアルパッケージ開発の背景

 地球温暖化などの環境課題が世界的に広がるなか、パッケージにも環境負荷を低減することが求められている。特に近年、海洋プラスチック汚染が大きくクローズアップされ、欧州連合(EU)では使い捨てプラスチック容器の禁止やリサイクルを義務づける法案が提出されるなど、全世界で使用後のプラスチックを資源として再利用するためのリサイクルを推進していくことが求められている。それに対して、これまでのフィルムパッケージは、特性の異なる複数の素材を組み合わせることで、保存性や強度などの各種機能を付与しているため、リサイクルがしにくいという課題があった。
 DNPは、環境配慮パッケージシリーズ「Green Packaging」を開発しており、数年前より材料メーカーとともにモノマテリアルによるフィルムパッケージの開発に取り組み、今回その製品化に成功した。

開発したモノマテリアルパッケージについて
 洗剤やシャンプーの詰替えパウチなど、液体や重量のある内容物に適したポリエチレンには、フィルムを貼り合わせる際のシール強度は優れているが、酸素バリア性や耐熱性が弱いという課題があった。また、高速充填性やバリア性が必要とされるパッケージに最適なポリプロピレンのフィルムには、用途によっては酸素バリア性が十分でないという課題があった。
 今回DNPは、これらのフィルムに、これまで培ってきたプラスチック基材へのコンバーティング技術や製膜技術、蒸着技術などを活かして必要な性能を付与することで、フィルムパッケージとしての機能を損なうことなく、ポリエチレン素材のモノマテリアルパッケージと、ポリプロピレン素材のモノマテリアルパッケージを実現した。さらに、地球温暖化防止への取り組みとして、一部に植物由来原料を使用した「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズのフィルムを使用することで、石油由来の原材料の使用を削減するとともに、ライフサイクル全体のCO2排出量の削減にも寄与していく。
 これまで、パッケージの環境配慮に関心があっても、コスト障壁を越えてまで取り組む企業は多くはなかった。しかしながら昨今の環境に対する危機感から、コストがアップしても環境配慮の取り組みを推進する企業が増加している。今後は益々環境配慮パッケージへの要求が高まっていくことが予測される。

今後の展開
 DNPは、製造するフィルムパッケージをリサイクルしやすいモノマテリアルパッケージなどに切り替えることにより、2025年度で国内と海外市場において年間500億円の売上を目指す。
 現在DNPは、「ヒトから考えるパッケージイノベーション」を包装事業のビジョンとして掲げ、生活者視点に立ったパッケージの開発を行っている。今後も、モノマテリアルパッケージの性能向上や製品ラインナップの拡充を進めていく。また、フィルムパッケージのリサイクルを推進する技術の開発や、スキーム(枠組み・仕組み)の構築についても、リサイクル業者や食品・日用品メーカー、流通企業などと共同で推進していく。
 なお、来る10月2日(火)~5日(金)に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK2018(2018東京国際包装展)」のDNPブースにて、今回開発したモノマテリアルパッケージを紹介する。


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