（株）SCREENグラフィックソリューションズ（以下、SCREEN GA）はこのほど、クロスメディアマーケティングの専門会社であるフランス・TagG Informatique社（以下、TagG社）と「IPDSコントローラー」を共同開発し、ワールドワイドでの販売を開始する。同コントローラーは、IS/3に準拠した完全組込型のオリジナルソフトウエアとして、SCREEN GAのロール式高速インクジェット印刷機「Truepress Jet520シリーズ」に搭載できる。
近年、消費者ニーズの多様化やパーソナライズ化が一層進む中、印刷会社にはデータに対する高度な安全性や機密性の保護が求められており、デジタル印刷機においてはIPDS（Intelligent Printer Data Stream）インターフェースが不可欠となっている。このような業界の動向を踏まえSCREEN GAは、様々なベンダーのプリンターにIPDSコントローラーの搭載実績を誇るTagG社との協業を行った。
TagG社は、年間でA4サイズ3億ページ以上、ダイレクトメール5,000万枚を印刷する、フランスのバリアブルデータ印刷におけるパイオニア。同社は、新しいソフトウエアの開発や新技術の採用を通じて、印刷のパーソナライゼーションに大きな変革をもたらし、企業のクリエーティブ部門やマーケティング部門に新たな視点を提供している。フランス・サヴォワ地区のアントルラックにあるTagG社の生産拠点では、「Truepress Jet520HD」に今回発売したIPDSコントローラーを搭載し、既に運用を始めている。
IPDSの活用により、データは一時的で高い安全性が確保されるため、トランザクション印刷やセキュリティー印刷において「Truepress Jet520シリーズ」を幅広く活用できるようになる。また、クローズドループ技術により、ページごとの出力状況の進捗・実績を取得し、一人一人に向けた通知物を確実に出力できる。対応機種には、トランザクション印刷の次世代スタンダード 「Truepress Jet520NX」をはじめ、オフセット印刷に迫る高品位な画質を提供する「Truepress Jet520HDシリーズ」にも搭載可能。これらによって、トランザクション印刷だけでなくトランスプロモ、ダイレクトメール、書籍印刷までをサポートできるため、より幅広い市場開拓を可能にする。なお、両機種は2月25日～28日にスイス・ルツェルンで開催される「Hunkeler Innovationdays 2019」で展示される予定。
SCREEN GAは、今回の共同開発を機に、データプリントビジネスにおける最新ソリューションの提供を通じて、今後も業界の発展に貢献していく。
■TagG Informatique社 創業者 Hervé Lesseur氏のコメント
当社はSCREEN GAとの緊密な関係に満足しており、今回のプロジェクトで協業できたことを光栄に思います。SCREEN GAの印刷機は、その信頼性と生産性の高さから市場で素晴らしい評価を得ていますが、当社のIPDSコントローラーの搭載により、さらに多くの印刷会社が地域を問わずその実力を活用できるようになることをうれしく思っています。
■SCREENグラフィックソリューションズ 連帳IJ事業統轄部長 執行役員 中尾誠一氏のコメント
TagG社は、この分野で卓越したノウハウを持ち、当社と強固な関係を築いていたため、今回の協業は自然な流れでした。極めて信頼性の高い効率的なソリューションを開発していただい たTagG社との共同事業の成果に、大変満足しています。
■SCREENグラフィックソリューションズ 高速連帳インクジェットプリンター用DFE・開発リーダー 松田隆雄氏のコメント
私たちが提供するフロントエンド環境は、IPDSワークフローへの対応だけでなく、同じプラットフォーム上でAdobe PDF Print Engineを核としたEQUIOSワークフローも使用できます。これにより、IPDSによるセキュリティーが不要なジョブに対しては、高度なカラーマネジメント、自動プリフライト、PDF修正などの機能が利用可能になります。通常はIPDSを使用する印刷会社でもPDFによる仕事が増加する傾向が見られるため、こうした柔軟性は、同一印刷機で異なるマーケットに対応したい場合や、異なる種類のジョブを処理したい場合において、大きなプラスポイントになると考えています。