京セラ(株)とVicor Corporationは、性能を最大化し、成長の著しいプロセッサー市場への導入時間を最小にする次世代型Power-on-Packageのソリューションにおける協業を開始した。この協業において、京セラは有機パッケージ、モジュール基板およびマザーボードに、電源およびデータを統合して供給するデザインを、Vicor社はプロセッサーに高密度、高電流を供給できるPower-on-Packageとして知られているソリューションを提供する。この協業を通じて、高性能化が進むプロセッサーとともに複雑化する高速I/Oと拡大する電流消費要求に対応するソリューション提供を目指す。
Vicor社のPower-on-Packageは、高効率、高密度、広帯域幅を実現しながら、プロセッサーパッケージ内において必要とされる電流を供給できることを強みとしている。パッケージ内で電流を増倍させることで、接続部の抵抗を最大90%削減しながら、従来は大電流供給に必要とされるプロセッサーパッケージ上のピンへのI/O機能の追加が可能となる。同社のPower-on-PackageソリューションはNVIDIA GPU Technology Conference 2018やChina ODCC 2018 Summitで発表されている。最新のPower-on-Package技術は、プロセッサーの裏側から電流を供給する垂直型電流供給にも対応している。垂直に電流を供給することによって、電力供給ネットワークによる損失を抑え、I/O性能を最大化し、柔軟な設計が可能となる。
京セラは数十年にわたってパッケージ、モジュール、マザーボード設計を世界中の顧客向けに展開してきた実績があり、プロセッサーパフォーマンスを最適化する独自のソリューションや高信頼性を強みとしている。また、シミュレーションツールや製造経験を活かし、複雑なI/O配線、高速メモリー配線や大電流供給に最適なデザインを供給する。このたびの協業を通じて、京セラとVicor社はAI・高性能プロセッサーを市場に導入するためのソリューションを提供する。
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【エレクトロニクス】京セラとVicor社、Power-on-Packageにおける協業開始
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