ワタミ(株)は、日替わり夕食宅配を行う「ワタミの宅食」にて、5月7日(火)から、愛知県でバイオマス素材を含んだプラスチック弁当容器に変更するのに合わせて、バイオマスプラスチック容器を回収してリサイクルする取り組みを始めた。プラスチックの資源循環やゴミの削減を目指すもので、高齢者食宅配を手掛ける企業としては初めての実施(※1)となる。取り組みの実施にあたっては、愛知県、名古屋市の指導・助言を受けるとともに、協力企業とのパートナーシップによって実現する。
※1 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会調査
◆業界初のリサイクルモデルと協力会社とのパートナーシップ
プラスチックの資源循環やゴミの削減は世界中で大きな問題となっており、6月に大阪市で開催されるG20サミットでも、使い捨てプラスチックの重量削減、バイオマス素材の使用量増加が議論されることが決定し、世界共通の解決すべき課題となっている。
「ワタミの宅食」では、弁当・惣菜の製造からお届けまでを自社で一貫して行っており、顧客が召し上がったあとのバイオマスプラスチック容器を自社で回収してリサイクルする仕組みを構築した。このリサイクルモデルはワタミだけではなく、協力企業(※2)、顧客などと一体となって推進していく独自の取り組み。
※2 協力企業/【環境配慮型容器の供給・製造】伊藤忠プラスチックス株式会社、福助工業株式会社、【弁当空容器の回収】株式会社ムロオ、【空容器の回収と圧縮】三和清掃株式会社、【再資源化】日本製鉄株式会社、【計量システム】株式会社寺岡精工、【リサイクル契約・費用清算等】株式会社ガイアドリーム
◆地域に根差した環境活動推進
バイオマスプラスチック容器をリサイクルする取り組みは、愛知県津島市に弁当製造の基幹工場「ワタミ手づくり厨房」中京センターがあることから愛知県内で実施することとなった。リサイクルの流れは、「ワタミ手づくり厨房」中京センターから愛知県内の営業所を通じて、「まごころスタッフ」が顧客に弁当を届ける。同時に「まごころスタッフ」が顧客が使用したあとのバイオマスプララスチック容器を営業所に回収して、「ワタミ手づくり厨房」中京センターに集め、協力企業によって中間処理を行ったのちに炭化水素油・コークス・コークス炉ガスにケミカルリサイクルする。今後はケミカルリサイクルした原料を使用した容器の使用を目指していく予定。
愛知県内には「ワタミの宅食」の営業所が36カ所あり、容器回収の対象となる弁当「まごころ手鞠(てまり)」約4700食を毎日届けている。今後は対象商品やエリアを拡大し、2021年度までに展開地域でリサイクルモデルの導入を予定。「ワタミの宅食」は弁当を通じて顧客とともに地域に根差した環境活動を推進していく。
◆リサイクルモデルの効果
・愛知県内で毎日約 4700 食分のバイオマスプラスチック容器をリサイクル※全国展開した際には年間約 6100 万食分(約 1,220t)のプラスチック容器がリサイクルされる見込み
・自社で容器を完全回収することで、分別不徹底による焼却処理、不法投棄、海洋流出などを抑制・バイオマス原料混入比率10%の容器を採用することで、原油使用量を減らし、熱回収時の CO2 排出量を抑制