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【CFRPシート】三谷産業、金沢工業大学と研究開発を開始。2024年から販売開始予定

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 三谷産業(株)は、金沢工業大学(遠藤和弘教授・和田倫明研究員)と連携し、日本国内で今後急速に増加する老朽化した橋梁の補修・補強工事において、工期を大幅に短縮できる可能性を持つ「高接着性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)シート」の研究開発を本格的に開始する。
 この事業は公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)より「いしかわ次世代産業創造ファンド助成事業(新技術・新製品研究開発支援事業)」の採択を受け、9月4日(水)、石川県庁において採択決定通知書交付式が行われ、谷本正憲石川県知事より採択決定通知書が授与された。

 今後、2024年からの販売開始に向けて研究開発・製品化を進め、販売開始後3年間で84億円以上の売上を目指す。

2019 09 05 mitani

高接着性CFRPシート開発の背景

 日本国内の橋梁は高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化することが懸念されている。老朽化した橋梁の割合は2018年の約25%から、2023年には約39%、さらに2033年には約63%まで膨れ上がると予想(1)されている。このような背景のもと、現存の橋梁を長く利用できるようにするための補修・補強が注目されている。

 現在の補修では、補修部に熱硬化性樹脂を用いて炭素繊維を接着する方法がとられている。しかしながら、この施工方法では、樹脂が固まるまでの待機時間が発生するため施工が長期化する、樹脂が固まった後に結露によって水滴が付着することがありその除去に時間と労力が掛かるといった問題がある。

 そこで、このたび本格始動する研究では、橋梁補修・補強のためCFRPに高接着性を持たせたシートの開発を課題とした。連携機関である金沢工業大学の遠藤教授・和田研究員の研究するプラズマ照射技術を用いてCFRPに特殊加工を加えることで、新製品「高接着性CFRPシート」の開発を行う。このシートにより上記の問題は解決され、大幅な工期の短縮とコストの削減が期待できる。

1 出典:国土交通省 社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト

http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html

製品販売計画

・製品:CFRP補強シート

・販売先:大手建築土木業者等

・価格:13,000円/m程度

・数量:648km(1m幅換算)程度

・売上高:84億円以上

・販売開始時期:2024年頃(予定)

今回採択された助成事業の概要

・運営機関:公益財団法人石川県産業創出支援機構

・助成金名:2019年度いしかわ次世代産業創造ファンド事業助成金(新技術・新製品研究開発支援事業)

・事業テーマ:世界の橋を100年活用する高接着性CFRPシートの製造販売事業

・事業主体:三谷産業株式会社ケミカル事業部

・連携機関:金沢工業大学

・研究目的:CFRPに独自のプラズマ照射を施し、橋梁を補修・補強する高接着性CFRPシートを開発する。従来工法と比べて、大幅な工期の短縮とコストの削減を図る。

・研究内容:

 (1)CFRPに独自のプラズマ照射を施す事で、高接着性を有した、現場で簡単に補修・補強できるシートを開発する。

 (2)2023年には現在の橋梁の40%以上が老朽化を迎えると危惧されており、将来のインフラ需要を視野に研究開発に取り組む。


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