
大谷 翔 氏/『Falling Shadow』
◆優秀賞:50万円(1点)
Erica 氏/『komorebi』
◆入賞:20万円
下田 比奈子 氏/『リフレクション』

Erica 氏/『komorebi』

下田 比奈子 氏/『リフレクション』

津布久 遊 氏・Piskunova Elizaveta Olegovna氏/『Decay from the whole』

永田 武 氏/『gradation』

河野 亮 氏/『draw a line』
■審査員総評
谷山直義 氏((株)NAO Taniyama & Associates代表取締役社長/クリエイティブディレクター)
普段インテリアデザインにかかわる人間として、その立場みたいなものも意識して審査には臨みました。仕事上、見ているとテクノロジーの進化などで、壁紙そのものの役割も変わりつつあると感じていて、今回もそういう方向性で審査していました。単にテクニックやデザインとしての完成度だけでなく、その先の可能性、例えばバリエーションのような発展性を見出すことができればと。プリミティブなコンセプトでも時代性が感じられたり、楽しみなものもいくつか発見できました。
植原亮輔 氏((株)ギギ代表/クリエイティブディレクター・アートディレクター)
僕はグラフィックデザイナーの視点で、デザインの美しさやインパクトを求めて審査に挑みましたが、応募者は日本人が住みやすい空間を想像してデザインしていたのか、落ち着いた雰囲気を持つデザインが多かったように思います。学生が多かったのか、審査の仕組みなのか、プレゼンテーションで魅せる方法がもっとあるんじゃないかと審査はじめは心配になりました。想像力を膨らませて発掘する気持ちで探してみると、未完成ながらもどこか魅力的なものもあり、後半は審査が楽しくなりました。絞っていくと優秀なものが残り、受賞作を選ぶ審査はとても楽しかったです。今後の課題として、インパクトや完成度をもっと上げていくにはどうしたら良いか、審査の企画、基準、方法も含めて考えて行くことは必要だと思います。
安東陽子 氏(安東陽子デザイン代表/テキスタイルデザイナー・コーディネーター)
壁紙のデザイン審査という体験は初めてのことで、壁紙が身近に感じられる機会になりました。仕事で扱うテキスタイルとは似たところとそうでないところもあり、異なる見え方や役割がありますね。段階を経て、議論していくという過程が、自分の評価や考え方にもいい影響を与えました。最初の印象で決めたり、単に票数が多いという理由で決まらず、「Joy of Design」のテーマに立ち戻って、審査ができたと思います。
安田正介 氏((株)サンゲツ代表取締役 社長執行役員)※審査委員長
これまで以上に、応募作品のデザインの完成度は高くなったと実感しています。そういう中で、「大賞としてのインパクト」という部分で考える必要もありました。大賞受賞作「Falling Shadow」は、目を引きつけるものもありながら、商品化という面でもデジタルプリントを含め、ポテンシャルのある作品だと思います。このアワードはデザイナー発掘という重要な役割も果たしています。もちろん、商品化という目線にとらわれすぎることなく、壁紙の可能性をいろいろな意味で広げて行ければと思います。