昭和シェル石油(株)と100%子会社でCIS薄膜太陽電池の生産・販売を手掛けるソーラーフロンティア(株)は、平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、CIS薄膜太陽電池技術の研究者:櫛屋勝巳が科学技術賞(開発部門)を受賞した。科学技術分野の文部科学大臣表彰を受けるのは昭和シェル石油、ソーラーフロンティアともに初めて。なお、表彰式は4月19日に文部科学省で執り行われる。
今回の表彰は、「原料から廃棄まで地球環境に配慮した薄膜太陽電池技術の開発」に与えられる。従来のCIS薄膜太陽電池技術は、カドミウムや「鉛はんだ」を使用しており、4R(Refuse / Reduce / Reuse / Recycle)を考慮したものづくりという発想が薄く、太陽電池製品から有価物を適正に回収するための汎用的な処理技術開発への取り組みは不十分であった。今回の表彰では、同社のCIS薄膜太陽電池技術が、原料から廃棄までの全体を俯瞰した独自の発想を組み込んでいることで、地球環境に負荷を与えず、安全かつ安心な発電技術が求められる社会のニーズに寄与したことが評価された。
昭和シェル石油およびソーラーフロンティアは、世界で唯一、独自のCIS薄膜太陽電池技術で、ギガワット規模の商業生産を実現した。その後も更なる技術向上に取り組んでおり、2017年2月には30cm角のCIS薄膜太陽電池サブモジュールにおいて、変換効率19.2%となる世界最高記録(産総研測定) を達成している。
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【PV】昭和シェル石油とソーラーフロンティア、平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰で科学技術賞(開発部門)受賞
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