日本材料技研(株)は、 このたび、 国立大学法人 東京工業大学との間で、負熱膨張材料に関する特許について独占的通常実施権許諾契約を締結した。また同契約に基づき、サンプル販売を開始した。
負熱膨張材料は、ペロブスカイト構造を持つ酸化物系セラミックス材料であり、室温近傍の温度域で温度上昇1℃当たり100万分の187という負の線熱膨張係数を示す。またニッケルと鉄の組成比を変えることによって、負の熱膨張が起こる温度域をコントロールすることもできる。日本材料技研は、2018年9月から東京工業大学および地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所との間で共同研究契約を締結し、負熱膨張材料の工業生産技術確立に向けた検討を進めてきた。共同研究の進展を踏まえ、東京工業大学との間で同契約を締結し、負熱膨張材料の商業化を進めることとした。日本材料技研では、今回取得した独占的ライセンスを活用し、熱膨張抑制が大きな課題となっている5G(第5世代移動通信システム)機器向けの材料などへの展開を目指し、早期の事業化を図る。
日本材料技研は、機能材料に特化したファブレス型スタートアップとして、国内企業や大学・研究機関等で開発された革新素材技術について、ライセンスアウトやカーブアウトを通じた事業化に取り組んでいる。今後も、企業が開発した未活用技術の商業化を進めることで、日本の素材産業におけるイノベーション創出に貢献していく。
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【負熱膨張材料】日本材料技研、東京工業大学から独占的ライセンスを取得しサンプル販売開始
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