財務状況改善のための包括的対応策(アクションプラン)の骨子
⚫ 収益性のあるコアビジネスにフォーカスするため製品ポートフォリオを再編
⚫ グローバルで2000人規模の組織のスリム化
⚫ デジタライゼーションを進めながらコアビジネスでのテクノロジーリーダーシップを推進
⚫ 各種財務戦略による負債の一掃
<3月17日、ドイツ発>ハイデルベルグ本社は、会社の経営をより強固にするため、現在の財務状況改善のための包括的対応策(アクションプラン)を発表した。包括的対応策には、収益性のあるコアビジネスにフォーカスするための製品ポートフォリオの再編、グローバル規模での組織のスリム化、デジタライゼーションをさらに進めながらコアビジネスにおけるテクノロジーリーダーシップを維持、推進する方針、そして各種財務戦略による負債の一掃が含まれている。
「このハイデルベルグの再編は、私たちにとって痛みを伴う措置を含んだ抜本的な改革の一歩です。この決断を下すのは容易ではありませんでしたが、会社を再び成功へ導くためには必要な決断でした。利益が上がらない製品の生産を中止することで、当社の強みであり収益性の高いコアビジネスにフォーカスすることができます。この分野においてハイデルベルグは、デジタライゼーションを活用し、市場をリードする地位をさらに拡大していきます。世界中の私たちのお客様には、引き続きテクノロジーをリードするデジタルソリューションとサービスをご提供していきます」と、今回の包括的対応策について、ハイデルベルグの最高経営責任者であるライナー・フンツドルファー氏は述べている。
製品ポートフォリオの再編の中には、VLF(Very Large Format)の枚葉印刷機と、B1インクジェットデジタル印刷機「プライムファイア106」の2つの製品の生産中止の決定が含まれている。その理由についてハイデルベルグは、VLFに関しては、もともと市場規模が小さく、かつ成長が見られない中で、ここ数年価格に対して顧客が非常に敏感になっていることから、現在のハイデルベルグの財政状況の中で負担があまりにも大きく、ビジネスとして継続していくことが困難になったこと、またプライムファイア106に関しては、デジタル印刷市場のリーダーを目指してここ数年にわたり多額の投資を行ってきたが、当初予想していたようにパッケージングの顧客がデジタル印刷を広く取り込むことはなく、やはりビジネスとして継続していけるだけの販売ユニット数を達成することができなかったことをそれぞれ挙げている。双方の分野における生産は、遅くとも2020年末までに中止する予定。
すでに導入済み機械については、それぞれの顧客に対して個別対応を行うが、原則、メンテナンスやサービス、またスペアパーツ、印刷必需品の供給は、通常の製品がライフサイクルを終えた場合と同じように生産終了後も法律と契約を遵守し、長年に亘って誠意をもって対応し、最高のパフォーマンスで機械を使えるように今後もハイデルベルグが100%サポートしていくことを約束している。
今回の包括的対応策の責任者であるハイデルベルグの最高財務責任者、マーカス・A・ヴァッセンベルグ氏は、「各種財務戦略を含むこの包括的対応策によって、私たちはすべての力を総動員してハイデルベルグを立て直します。そうすることによって、私たちはこの経済的に不確実性の高い時にさえ、力強く活動していけることができるだけの頑強な会社になります」と、述べている。
統合されたソリューションポートフォリオと、サブスクリプションなどの新しいデジタルビジネスモデルとともに、ハイデルベルグは今後も顧客の成功をさらに前に進め、持続可能な成長を実現することを狙って、そのテクロノジーリーダーとしての役割を拡大し続ける。将来の投資は、顧客が価値を創造するためのビジネスの端から端までの完全なデジタライゼーションにフォーカスする。機械、ソフトウェア、印刷必需品とパフォーマンスサービスを統合したシステムソリューション。このビジョンにおいて、ハイデルベルグはすべての顧客とサプライヤーの関係を自動化するため、さらに業界をまたいだIoTベースのプラットフォームを創造していく。
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【Printing】独ハイデルベルグ本社、財務状況改善のための包括的対応策発表。B1インクジェットデジタル印刷機「プライムファイア106」は年内で生産中止
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