・極めて簡素化された2部品構成デザインにより生産率が向上
・10万個のフェイスシールドを生産、ミシガン州の病院を支援するために寄付
・個人防護具(PPE)不足の対処に向けて、生産増進を目的に製造業者を募集中
<2020年4月17日発表>ダウ(NYSE: DOW、本社:米国ミシガン州、会長兼CEO:ジム・フィッタリング)は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックと向き合う医療従事者が必要とする、個人防護具(PPE:personal protective equipment)の緊急ニーズに対処するため、簡素化されたフェイスシールドデザインを開発した。また、そのデザインをオープンソースファイルで共有し、極めてニーズが高いPPEの生産率向上に貢献する。さらに、病院への配給を目的としてミシガン州に寄付する10万個のフェイスシールドの生産に向けて、協力して取り組んでいる。 ダウは、ポリエチレン樹脂の代表的メーカーだが、通常は消費者が最終的に使用するプラスチック製品を生産していない。しかしながら、COVID-19のパンデミック対策に向けた取り組みとして、テキサス州フリーポートにおけるパック・スタジオ応用開発施設が備える試作・製作能力を生かし、フェイスシールドの樹脂フィルム技術を迅速に開発した。また、他のバリューチェーンパートナーと協働し、シールドの装着感を向上させるフォームコンフォートストリップの製造業者の特定に取り組んでいる。
「オープンソース形式の簡素化されたデザインを提供する当社の目標は、極めて需要が高いフェイスシールドの追加生産を加速化させる手法を他社に提供することです。この取り組みは、私たちの材料、技術サービスにおける職員、そしてパック・スタジオの協力開発能力が、パンデミックの前線に置かれている人々の保護に寄与する用途のソリューションを、いかにして可能としているかを示すさらなる事例となっています」と、ダウ・パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスチックス事業部プレジデントであるディエゴ・ドノーソ氏は述べている。
このフェイスシールドのデザインには非常に柔軟性があり、シールドは入手しやすい各種ポリマーから生産でき、ウォータージェットやレーザー、ダイカット技術といった種々のハイスループット技術を利用したカッティングが可能。また、シールドと前額部のクッションという2つだけの部品で構成されたシンプルかつ軽量なものであるため、生産鈍化の要因となる複数部品の組み立てが排除され、配給をより迅速に展開できる。
オープンソースデザインを共有する他、ダウは病院への配給のためミシガン州に寄付される10万個のフェイスシールドを生産する。ミシガン州を拠点とするtinkrLABは、レーザーカットと組み立てを担う主要開発パートナーの役割を果たしており、すでに生産の初期割当を完了している。
「私たちのコミュニティは、COVID-19により揺るがされています。中小企業である当社は、その前線に立つ人々のニーズを直接目の当たりにしており、たとえ規模は小さくとも世の中に貢献してソリューションを提供したいと考えました」と、tinkrLABの創設者兼プレジデントであるメリッサ・ラビデュー氏は述べている。「当社は中小企業なので、ボランティアを手早く動員してその役割を果たせる立場にありますが、中小企業と大企業が協力するという目に見える影響によってリソースを結集することができ、その影響はさらに実質的なものになり得ます。直接関与するのは当社のDNAに根ざした対応であり、貢献に直に関わるアプローチを取るのはまさに妥当だと言えるでしょう」。
いくつもの試作品が実地に試験され、医師や看護士など医療従事者からのフィードバックが、最終デザインの開発で役立てられた。フェイスシールドの使用は一度限りということが多いものの、特定のフィルム組成を活用した場合、シールドは殺菌され再利用が可能となる。このフェイスシールドは、米国食品医薬品局のガイダンスに記述された制限事項と、公衆衛生上の緊急事態期間中のフェイスシールドに関して発せられた緊急使用許可と一致した形で開発、配給されている。
フェイスシールドの生産に関心がある企業や個人は、デザインファイルへオンラインでアクセスすることができる。
また、ダウはこの重要なPPEの開発を継続するため、フィルム製造とカッティングの能力を有する他社とパートナー関係を結ぶことも検討している。関心がある場合は、下記まで連絡を。
facshld@dow.com
ミシガン州警察のステート・エマージェンシー・オペレーションズ・センター(SEOC)が、配給品の配布を管理する。フェイスシールドを必要する団体は、該当する郡の緊急管理事務所に連絡することが必要とされる。複数の郡にまたがる、もしくは州全体に関わる組織は、1つにまとめた要請書をMSP-EOCPSL@michigan.govに提出することができる。
ダウのフェイスシールドプロジェクトは、ダウがCOVID-19の世界的なパンデミック危機に対処するために着手した最新の取り組み。
・ダウ、COVID-19対策支援で300万ドル寄贈、ドイツおよびアメリカでは手指消毒剤を生産
・ダウ、北米、欧州、中南米で手指消毒剤の生産を拡大
・ダウ、ミシガン州グレートレイクス地域(ダウの本社所在地域)にCOVID-19対策支援で追加的に50万ドルを寄付
ダウは、マテリアルサイエンス分野における専門性と生産能力を活用し、殺菌剤や消毒剤、洗剤、医療関係者用の使い捨てPPE、病院ベッド用の形状記憶フォームといった、COVID-19パンデミックと戦うために最も重要となる衛生医療の製品と技術を開発している。
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【COVID-19対策支援】ダウ、医療従事者の保護に役立つ、簡素かつ軽量デザインのフェイスシールド開発。生産を促すためオープンソースデザイン共有
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