凸版印刷(株)は、セキュリティシステムを手掛ける米・Systechと共同で、商品に記載されたバーコードをスマートフォンで撮影するだけで、印刷の微細な差異を見分け、真正品照合が可能な個体認証サービス「UniSecure(ユニ・セキュア)」の日本におけるサービス提供を、2018年4月より本格的に開始する。
UniSecureの利用により、商品バーコードの、印刷によるわずかな個体差を商品の真贋判定に用いることができる。具体的には、商品の製造工程にて印刷された商品バーコードを画像データとして解析し、その差異を特徴点情報として登録する。消費者が専用のアプリで商品バーコードを撮影すると、その特徴点情報をクラウドデータベースに保管された特徴点データと照合することで真贋判定が可能。商品に元来記載しているバーコードをそのまま真贋判定に使用でき、またデータ照合サービスはクラウドで提供するため、導入負荷を軽減できる。凸版印刷が商品パッケージや関連印刷物の製造とバーコードの画像取得を行い、システックがバーコードの画像データ解析ならびに照合、判定用アプリケーションの開発・提供を行う。
近年、模倣品や横流し品の流通は世界的に拡大しており、その被害額は増加の一途をたどっており、その内容も多様化している。模倣品や横流し品が流通し続けることで、真正品の売り上げ減少やブランド価値の低下を招くおそれがある。
凸版印刷ではこれらの課題を解決するため、目視で製品の正当性を確認できるホログラム「クリスタグラム」やICタグを活用した認証サービスなど、数多くのブランドプロテクション製品を提供しており、今回、バーコードのわずかな個体差を真贋判定に活用できる技術をもつシステックとの協業により、商品に記載されているバーコードをそのまま真贋判定に利用できるサービスの提供が可能になった。
今後、凸版印刷は、流通・小売業界やメーカーなどに向けて、今年10月よりテストマーケティングを開始し、2018年度に関連サービスを含め約2億円の売上を目指す。また、メーカーと消費者との新たな接点の提供や、利用者同士のコミュニケーション機会の提供など、さまざまなアプリケーションとしての展開も推進していく考え。
<紹介動画>
https://www.youtube.com/watch?time_continue=5&v=2GcSANF5UQo
■サービスの特長
・真正品判定に商品バーコードを使用
商品に元来印刷されているバーコードをそのまま真正品判定に利用できるため、導入負荷を軽減できる。
・大量生産の商品にも対応
バーコードの画像解析では、特徴点のみを数値データに変換して行うため、照合に必要なデータ量が少なく、大量生産の商品への導入も可能。
・印刷やコピーなどによる偽造を判別
バーコードを各種印刷機やコピー機などで複製しても、その印刷時にまた新たな特徴点となる差異が発生してしまうため、その偽造は極めて困難
。
・QRコードやDataMatrixにも対応
商品コードなどのバーコードだけでなく、QRコードやDataMatrixにも対応できる。
・商品の個品管理も可能
通常、同じ商品には同一のJANコードがつけられるが、それぞれ違う個体として認識できるため、商品のトレーサビリティやキャンペーン応募などへの活用も可能。
<システックについて>
システックは製品の安全性や、消費者とブランドのプロテクションの技術における、世界規模のリーディングカンパニー。法規制の遵守やリスクの軽減、効率化、収益性の向上のために、企業のシリアライゼーションやトラック・アンド・トレース、認証技術の融合と最適化を実現。製薬やライフサイエンス、食品・飲料、消費者向けパッケージ商品などの分野の主要ブランドへの提供において30年の実績を持つ。