ナイトクラブでの吸音と言うと矛盾があるように聞こえるかもしれないが、ドイツ・ランダウで新しくオープンしたナイトクラブの「Jeanne d'Arc」でそれが実現した。優れた音響を確保するために、多くのレコーディングスタジオやコンサートホールでBASFのメラミン樹脂発泡品Basotect®(バソテクト)が使用されており、Jeanne d'Arcにおいても、洗練された特別な音響空間が提供されている。Basotect®のオープンセルの気泡構造は、音波をほぼ完全に吸収し、歪んだ反響音の発生を防ぐ。軽量で低可燃性の発泡体、Basotect®は多様な色と形状に加工できるため、様々なデザインに柔軟に対応する。「機能性とデザインのバランスをとるという難問に対処するには、Basotect®が最適な材料でした」とプロジェクトを手掛けた建築事務所、IDEENREICHのセバスチャン・メッツ氏は述べている。
バッフル、立方体、ピラミッドによって実現する完璧なサウンド
1,000m3を超える空間には、Basotect® G+の100個以上の立方体と1,200個の大型シリンダー(バッフル)が天井から吊るされ、落ち着いた色の壁面にデザイン要素がピラミッド型に配置されている。メッツ氏は「天井や壁に音を反射させない素材が、最高品質のサウンドをもたらします。設置が容易で防火性に優れていることも採用の決め手となりました」と述べている。
熱硬化性メラミン樹脂発泡体は取り扱いも容易。剛性と柔軟性が備わっているので、あらゆる形状に手軽に成形できる。つまり、切断、プレス、成形を行って、複雑な芸術品が製作できる。ドイツ・ランブレヒトに拠点を置くSetaplast社が、このナイトクラブで使用されている全てのデザイン要素を提供した。
2017年9月末にオープンしたJeanne d'Arcは、一晩におよそ1,000人のゲストを収容することが可能で、50人のスタッフが顧客に対応する。夏には広いルーフテラスも開放される予定。