<米国ジョージア州アルファレッタ、2017年11月29日>特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるソルベイは、インプラント向けに、30%の炭素繊維で強化された放射線透過性Zeniva(r) ZA-600 CF30ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を発表した。拡大を続けるソルベイのヘルスケアソリューション製品群に新たに加わったZeniva(r) ZA-600 CF30 PEEKは、皮質骨に非常に類似した係数を備えている。金属系インプラント材料とは異なり、インプラントデバイスまわりの骨組織に通常の応力をかけ続けることにより、骨密度の減少を最小限に抑える移植に役立つ。
Zeniva(r) ZA-600 CF30 PEEKは非変性PEEKの2倍の強度を持つため、人工脊椎、股関節、膝関節として使用される、構造、耐荷重性医療機器に適している。こうした品質により、インプラント医療機器の大きさと重さを縮小し、負担を軽減する設計が可能になる。非変性PEEKと同様に、Zeniva(r) ZA-600 CF30樹脂は耐クリープ性に非常に優れ、長期的な疲労によるひずみにも耐える。
ソルベイの新しい特殊ポリマーは、非変性PEEK固有の放射線透過性も備えているため、X線、CTスキャン、MRIなど各種の医療用画像手法によるインプラントや融合体の視覚化を抑えるため、金属系材料よりも優れた利点がある。
「Zeniva(r) ZA-600 PEEK CF30は、整形外科分野に適した、革新的な構造材料です。スポーツ医学、外傷、関節再建で利用できる、インプラント医療機器の製造コストを大幅に削減します」と、ソルベイのSpecialty Polymers global business unitでbusiness manager for Healthcareを務めるJeff Hrivnak氏は述べている。「この材料は射出成形に最適化されたものであり、コスト効率の高い大規模なインプラント製造への道を開きます。OEMは、急速に成長する市場で競争優位を得るために必要な、経済的なメリットが得られます」。
Zeniva(r) ZA-600 CF30 PEEKは、米国にある専用のISO 13485およびcGMP適合の施設で製造され、ISO 17025適合ラボで試験が行われている。この製品はソルベイのSolviva(r) 生体材料製品群の一環をなすものであり、整形外科、心臓血管、脊椎などの用途向けインプラントへの展開を大きく拡張する。他のSolviva(r) 生体材料群と同様、Zeniva(r) PEEK樹脂の製造は精密に検証され、厳格な管理によって製品のトレーサビリティが確保されている。詳細なFDAマスターアクセスファイル(MAF)を利用でき、また規制上のサポートによって顧客の市場投入までの期間が短縮される。
ソルベイのSolviva(r) 製品群には、Zeniva(r) PEEKに加えて、Veriva(r) ポリフェニルサルホンやEviva(r) ポリサルホンも含まれている。Solviva(r) 生体材料群は、すべてガンマ照射や酸化エチレン、蒸気など、従来の方法による滅菌が可能。ISO 10993:1に規定された生体適合性試験の結果、細胞毒性、感作性、皮内反応性、急性全身毒性が一切ないことが立証されている。これら滅菌可能な製品は、射出や押出成形向けのグレードに加え、切削加工される部品向けのストックシェイプグレードも用意されている。