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【農業】IRRIとBASF、稲の直播栽培をアジアで促進するために提携

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SnapCrab NoName 2017 12 6 11 32 24 No 00 R 国際稲研究所(International Rice Research Institute, IRRI)とBASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、稲の直播栽培用のツールと技術をさらに普及、導入するため、3点の合意書に署名した。今回のパートナーシップでは、IRRIとBASFがマルチステークホルダー方式のDSRコンソーシアムを設立し、非遺伝子組み換えの除草剤耐性を備えた稲の利用に関する研究を進める予定。
 直播は最適条件下であれば、手作業で稲を植えるよりも効率が良く、安価な稲作法と考えられている。労働力や水など必要なリソースの量は少なく、他の稲作法と比較すると、温室効果ガスの排出も低減できる。
 直播栽培は米国や南アメリカでは広く実践されているが、雑草の蔓延による収量ロスが多いため、アジアでは広範な導入が進んでいない。
 今回の新たな研究コンソーシアムでは以下の目的を掲げている。
1.水稲直播栽培、および乾田直播栽培の安定した機械化システムの開発
2.雑草管理ソリューションの調査
3.直播栽培を行うアジアの稲作農家に適した農学実践の構築
 また、今回のコンソーシアムにより、IRRIは直播栽培技術を開発し、アジアの環境条件に適した稲の品種を試験できるようになる。官民両セクター、研究組織、NGO、生産者団体の方々もコンソーシアムに加入できる。
 IRRIの研究担当副所長であるジャクリーン・ヒューズ氏は次のように述べている。
 「世界中の人々に食糧を供給することは、公的機関だけの問題ではありません。民間セクターを含む、あらゆる人々の貢献が必要です。今回のパートナーシップにより、IRRIのような組織がBASFのような企業と、持続可能な開発という共通の目標に向けて緊密に連携することができます」
 稲の直播栽培システムにおいて雑草の侵入を確実に防除するため、今回のパートナーシップでは、非遺伝子組み換えの除草剤耐性を備えた稲に関する研究も進めていく。こうした品種は市場に投入後、第三者組織によって稲の生産性、収益性、生態学的な持続可能性への影響が評価されることになる。
 アジア太平洋地域でBASF農薬事業本部を率いるグスタボ・パレロシ・カルネイロ氏は次のように述べている。
 「今回のIRRIとのパートナーシップにより、当社の領域と専門知識はさらに拡大していくでしょう。それが、Clearfield® Production SystemやProvisia® Rice Systemなどの稲作技術がより迅速かつ広範に普及することに貢献し、米の生産性と稲作農家の収入の向上にもつながると私たちは確信しています。今回の提携により、重要かつ環境的に持続可能な形で、食糧確保に貢献する製品やプログラム支援を提供できることを私たちは嬉しく思います」
 稲の直播栽培は他の稲作法に比べ労働力や水など必要なリソースの量は少なく、温室効果ガスの排出も低減できる。
■国際稲研究所について
 国際稲研究所(International Rice Research Institute, IRRI)は、国際協定のもと1960年に設立された非営利の自律的な非政治国際組織。共同研究やパートナーシップ、国による農業研究や拡張システムの強化を介し、ライスサイエンスを通して貧困と飢餓を撲滅し、稲の生産者と消費者の健康を促進し、環境の持続可能性を確保することを目指している。


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