コダックのPROSPERプレスのユーザーであるトッパン・フォームズ(株)(坂田甲一社長 )が、コダックのStreamインクジェットテクノロジーを搭載したジェッティングモジュールの1つが再生のため返却された際に、運転時間が3万4000時間以上に到達したという大記録を達成した。これは、ほぼ4年間ノンストップで印刷し、月へと3回到達するのに十分なA4ページを印刷することに匹敵する。このコダックのインクジェットヘッドは、2014年にトッパン・フォームズに設置されたKODAK PROSPERプレスのうちの1つのもの。
コダックのエンタープライズインクジェットシステム事業部ワールドワイドプロダクトマーケティング&カテゴリーマネージメントディレクターのウィル・マンスフィールド氏は、「トッパン・フォームズ様のこの偉業は、デジタルで作成された印刷コミュニケーションツールの印刷プロバイダーとしての卓越した運用を物語っています。また、最も要求の厳しい印刷環境におけるPROSPERプレスの高い信頼性の証でもあります。トッパン・フォームズ様は、過去5年間でジェッティングモジュールの寿命を3倍にし、その性能は世界中で稼働している他の全てのPROSPERプレスの性能を上回っています。最初のPROSPERプレスを設置して以来、トッパン・フォームズ様は印刷サービスを拡大しおり、カラーのダイレクトメール、トランザクションおよび個人用の教育アプリケーションなどに活用いただいています」と述べている。
Streamインクジェットテクノロジーには、ドロップオンデマンド方式などの他のデジタルテクノロジーにはない独自性がある。1つ目は、インク液摘が常に生成されノズルを通過しており、印刷に必要なインク液滴のみが紙に落ち、残りの液滴は異なる方向に流れて回収され再循環される。このプロセスにより高速印刷を実現することで、オフセット、フレキソ、およびグラビアなどの他の大量印刷方式と組み合わせたハイブリッド印刷や、完全デジタルへの移行も可能とする。2つ目は、Streamインクジェットテクノロジーでは環境に優しい水性顔料インクを使用しており、コスト面でも優位性があり、更にはより広範な色域再現が可能です。3つ目は、プリントヘッドはコダックに返却され、その部品の大半が再生プロセスで再利用されます。これにより、
廃棄物が減少するだけでなく、地球にとって優しい持続可能な費用対効果の高いソリューションを実現できる。
トッパン・フォームズの堀江昭一製造統括本部製造企画本部長は、「コダック社とトッパン・フォームズの協力体制があってこそ、記録達成ができたと思います。両社の継続的な努力と高い技術力を結果で示せたことは大変喜ばしいことで今後の更なる向上につながるものと期待しています」と語っている。
コダックは年間6,000台を超えるプリントヘッドを引き取り、再生しており、その再生台数は2009年以降3万3000台にのぼる。プリントヘッドは返却されると、8段階のプロセスを経て2週間足らずで再生される。まず、コダックでは顧客のトラブルシューティングおよび継続的な技術の向上を支援するために、「読み込み」プロセスを行い、すべてのヘッドのメンテナンスデータを収集してデータベースに保管する。次に、プリントヘッドの分析、分解、洗浄、再組み立て、テスト、プログラミング、梱包を行い、返送する。プロセスの全ステップがオハイオ州デイトンにある温度・湿度が管理されたクリーンルームにおいて技術的管理下で記録され、完了する。
トッパン・フォームズ・セントラルプロダクツ(株)の金子俊明代表取締役社長にコダックのウィル・マンスフィールド氏より記念の盾を贈呈