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【グリーン冷媒】NEDO、次世代冷媒とその適用機器の開発に着手

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 かつて冷凍空調機器用の冷媒として使用されていたクロロフルオロカーボン(CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)など特定フロン※1はオゾン層を破壊するため、代替フロン※2であるハイドロフルオロカーボン(HFC)への転換が進められてきた。一方で、HFCは、温暖化への影響がCO2の数十倍から一万倍以上と言われており、地球温暖化を促進するという問題点が指摘されている。現在、稼働中の冷凍空調機器に使われるHFCの総量の増加に伴い、大気中への排出量も増え、その温室効果の高さによる環境への影響が問題となっている。
 これに対し、温室効果ガス排出抑制強化の観点から、HFCはパリ協定の規制対象となるとともに、改正されたモントリオール議定書(キガリ改正※3)においてもHFCの生産量と消費量の段階的な削減義務が各国に課され、日本でも、改正オゾン層保護法に基づき、その製造と輸入の規制を開始している。今後は、現在使用しているHFC冷媒が使用できなくなる可能性が高く、オゾン層を破壊せず温室効果も低い冷媒である、グリーン冷媒をはじめとする次世代冷媒やその適用機器の開発が急務となっている。
 これらを踏まえ、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業※4では、2018年度より、次世代冷媒に対応するための開発基盤を整備する研究開発を開始したが、冷凍冷蔵ショーケースなど次世代冷媒の普及に至っていない領域に対しても、機器性能の向上や適用範囲の拡大など技術課題の克服を通して普及を促進していくことが必要。
 今般、NEDOはこうした冷凍冷蔵ショーケースなどの領域に対し、グリーン冷媒をはじめとする次世代冷媒や次世代冷媒を使用した冷凍空調機器の開発に着手する。本事業で開発した冷媒や機器が普及することで、冷凍空調機器分野における次世代冷媒への転換を促進する。
 さらに、これらの取り組みを通じて、モントリオール議定書キガリ改正における日本のHFC生産・消費量削減目標(2029年までに基準値※5比70%削減、2036年までに85%削減)およびパリ協定における日本のHFC排出量削減目標(2030年までに2013年比で32%減となる約1020万CO2-t削減)の達成に貢献する。

採択テーマと助成予定先
SnapCrab NoName 2019 4 26 18 8 13 No 00






<注釈>
※1 特定フロン
 オゾン層破壊効果と高い温室効果を有するクロロフルオロカーボン(CFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などの化合物。
※2 代替フロン
 オゾン層破壊源となる塩素を含まないハイドロフルオロカーボン(HFC)などの化合物。
※3 キガリ改正
 2016年10月にルワンダ・キガリで開催されたモントリオール議定書第28回締約国会合(MOP28)において、オゾン層を破壊しないが温室効果の高いハイドロフルオロカーボン(HFC)を規制対象に追加するという議定書の改正提案(キガリ改正)が採択され、2019年1月1日に発効した。
※4 NEDO事業
 事業名:省エネ化・低温室効果を達成できる次世代冷媒・冷凍空調技術及び評価手法の開発
 事業期間:2018~2022年度
※5 基準値
 2011~2013年実績の平均値から計算されたもの。

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