大日本印刷(株)(DNP)が開発した「DNP植物由来包材 バイオマテック」の2018年度の1年間の出荷量からCO2の削減量を算定したところ、石油由来の包材を使用した場合よりもCO2の排出量が2,500トン以上減少したという結果が得られた。これは、17.8万本の森林(杉など)が1年間で吸収するCO2量*1に相当する。
*1:関東森林管理局のホームページより http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/aizu/knowledge/breathing.html
DNPは、「持続可能な原料調達」「CO2の削減」「リサイクルの推進」という3つの価値を起点に、循環型社会の実現を目指しており、環境負荷の低減につながるパッケージシリーズ「GREEN PACKAGING」を展開しているす。「CO2の削減」においては、製造工程はもちろん、使用や廃棄なども含む製品のライフサイクル全体での排出量削減を推進している。
この「GREEN PACKAGING」の柱の1つが、「DNP植物由来包材 バイオマテック」シリーズ。サトウキビから砂糖を精製した際の副産物(廃糖蜜)やとうもろこしなど、植物由来の原料を一部に使用して、石油資源の使用量を削減する。植物は生育の過程で、光合成によってCO2を空気中から取り込んでいるため、パッケージ使用後の焼却時に出るCO2と相殺することが可能で(カーボンニュートラル)、製品のライフサイクル全体でのCO2の削減に有効。
このバイオマテックは、石油由来のプラスチックフィルムと同等の物性を持ち合わせており、食品や日用品など誰もが手に取る商品に使用することができ、石油由来のプラスチックフィルムと比べて、CO2の排出量を製品のライフサイクル全体で約10%以上削減する。DNPは、2010年にバイオマテックPEフィルムを、2012年にバイオマテックPETフィルムを開発し、その後、シリーズのラインアップを増強している。
主な採用事例は、以下の通り。
ライオン(株)の「トップ スーパーナノックス」
味の素(株)の「アミノバイタル®アミノプロテイン」「から揚げの日の油」
日本ハム(株)の「彩りキッチン」シリーズ
DNPは、今後もバイオマテックをはじめとした環境に配慮したパッケージの開発を進めていく。また、バイオマテックの拡販でさらに環境配慮を進め、2020年度には5,000t以上のCO2削減を目指す。
↧
【環境配慮パッケージ】DNP、GREEN PACKAGINGで2018年度にCO2削減2500トン突破
↧