(株)リコーは、プロダクションプリンティング市場向けのプリントMIS (経営情報システム)ベンダー大手のアヴァンティコンピューターシステムズ社(Avanti、本社:カナダトロント、CEO:Patrick Bolan)を買収した。
これにより、プロダクションプリンティング市場のユーザーに対して、生産ワークフローにおける提供価値の拡大を図り、経営効率・生産性向上の支援をグローバルに展開していく。
リコーは、2013 年7 月にAvanti社に戦略的投資をしており、この度、買収に至った。Avanti社は、プリントMIS を米国中心に提供し、高い評価を得ている。同社の「スリングショット」は、印刷物の各生産工程間でジョブ管理情報を共有するために設計された業界標準の文書フォーマットであるJDF(Job Definition Format)に対応し、プリプレス~プレス~ポストプレスの工程統合管理のための国際標準化団体であるCIP4*の認定を取得いている業界最先端のプリントMISである。
リコーはプロダクションプリンティング市場に対して、高画質・高生産を誇るプリンター「RICOH Pro シリーズ」を提供している、ユーザーのリコーに対する期待はプリンターだけではなく上流システム、下流システムの課題解決に広がっている。
こうした期待に応えるため、リコーは2014 年12月に米国のPTI 社を買収し、ウェブトゥープリントやバリアブルプリントなどの提供価値を拡大してきた。今回さらにAvanti社が加わることで、自社製品群でプリントMIS を含む生産ワークフロー全体のシステムの提供が可能となる。また、Avanti社のシステムは、「RICOH Pro シリーズ」だけではなく他社製品とも連携し、ユーザーに対しより広範囲なソリューションを提供する。
リコー グループ理事 ビジネスソリューションズ事業本部 PPPSSW 開発センター 所長 兼 PPUS マーケティングセンター 所長 Jeff Paterraは、「私たちはユーザーのビジネスの成長と業務効率の向上をお手伝いするために常に商品ポートフォリオの改善に取り組んでいます。RICOH Pro シリーズは、高画質・高生産が評価されグローバルでのシェアを伸ばしており、またユーザーからは、印刷業務の上流システムから下流システムに至るまでの幅広い課題を解決するものと期待されています。この度のAvanti社の買収により、さらなる業務効率改善のご提案が可能になります」とコメント。
Avanti社 社長 Patrick Bolan氏は、「3年半前のリコーによる当社への戦略的投資は、先進的な製品開発と革新的なMISソリューションの拡販において大きな機会となりました。この度のリコーによる買収は、グローバルマーケットにおけるAvanti社の成長をさらに加速するものとなります」とコメントした。
■Avanti社の概要
・社名 : Avanti Computer Systems LTD.
・設立 : 1984年
・本社所在地 : カナダ トロント
・事業内容 : 印刷事業向けプリントMISソフトの開発、販売、関連サービス、サポート
*CIP4 The International Cooperation for the Integration of Processes in Prepress, Press and Postpress Organizationの略。