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【炭素繊維複合材料】東レ、子会社の事業ブランド名を「Toray Advanced Composites(TAC)」に変更

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 東レ(株)は、航空宇宙用途を中心に炭素繊維複合材料の製造・販売を行う子会社が用いている事業ブランド名「TenCate Advanced Composites」について、「Toray Advanced Composites(略称:TAC)」へと変更する。

 また、そのグループ会社で、主に高機能産業用途向け材料を手掛けるPerformance Materials Corporationについても、事業ブランド名を「TenCate Performance Composites」から「Toray PMC」に変更し、東レグループ会社としての認知を図っていく。

2019 03 13 toray

 東レは、2018年7月にTenCate Advanced Composites Holding B.V.の買収を完了し、その後、販売・製品・技術面における連携を中心として、東レグループとしてのシナジー創出に取り組んできた。このたび新たに、東レを冠した事業ブランド名への変更により、名実ともに東レグループの一員として、各社との連携を益々強化していく。今後、2019年7月までにTACグループ全ての事業ブランド名変更を完了させる予定。

 東レは、中期経営課題“プロジェクト AP-G 2019”において、炭素繊維複合材料事業を「戦略的拡大事業」と位置付け、中長期的な事業推進を図っている。東レグループ内の連携をさらに強化し、TACが強みを有する航空機向け市場にも迅速に対応していくことで、炭素繊維事業のさらなるグローバル拡大を目指す。


【HPC】NVIDIA、Mellanoxを69億ドルで買収

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 NVIDIAとMellanoxは2019年3月11日、NVIDIAがMellanoxを買収するということで両社が最終合意に達したと発表した。この合意に基づき、NVIDIAは現金でMellanoxの発行済み株式すべてを1 株当たり125ドルで買い取ることになり、この企業価値総額はおよそ69億ドルとなる。買収が完了すれば、この連結により、NVIDIAの非GAAPベースの総利益率、非GAAPベースのEPS(1株当たり利益) およびフリーキャッシュフローは、直ちに増加するものと見込まれている。
 今回の買収により、ハイパフォーマンス コンピューティング (HPC) のリーダー企業2社が1つに融合する。NVIDIAのコンピューティング プラットフォームとMellanoxのインターコネクト技術は、2社で世界の「TOP500」スーパーコンピューターの250以上で採用されており、大手のクラウド サービス プロバイダーやコンピューター メーカーが顧客となっている。
 現代のAI、科学技術計算、およびデータ アナリティクスのワークロードにおいて、データおよび演算の量は指数関数的に増加しており、ハイパースケールおよびエンタープライズ向けのデータセンターには膨大な処理能力が求められるようになっている。コンピューティングへの需要が高まっている反面、CPU性能の進展は、ムーアの法則が終焉し、減速しつつある。そのため、NVIDIAのGPUとMellanoxのインテリジェント ネットワーキング ソリューションを使った、アクセラレーテッド コンピューティングを導入する必要が生まれている。
 未来のデータセンターは、数万のノードからなる巨大な計算エンジンとして構築され、最適な性能のためにインターコネクトとの、総合的な設計がなされるあろう。
 ハイパフォーマンス インターコネクト テクノロジ分野の初期のイノベーターであるMellanoxは、InfiniBandインターコネクト テクノロジのパイオニアであり、このテクノロジは、同社の高速イーサネット製品とともに、現在、世界最速クラスのスーパーコンピューターの半分以上、ならび主要なハイパースケール データセンターの多くで使用されている。
 Mellanoxとともに、NVIDIAは、コンピューティング、ネットワーキングおよびストレージ スタック全体にわたってデータセンタースケールのワークロードを最適化し、より高い性能、より広い用途、ならびに顧客の運営費用削減を実現する。
 NVIDIAの創業者/CEOであるジェンスン フアン(Jensen Huang)氏は以下のように述べている。
 「AIとデータ サイエンスの台頭、ならびに数十億人もの同時接続のコンピューター ユーザーの存在が、全世界のデータセンターの急激な需要増を後押ししています。この需要に対処するには、インテリジェントなネットワーキング ファブリック全体で膨大な数の高速演算ノードを接続し、データセンタースケールの巨大な演算エンジンを構築するという、総合的な設計が必要となるでしょう」「NVIDIAのアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームと、世界的に有名なMellanoxのアクセラレーテッド ネットワーキング プラットフォームを融合させ、次世代のデータセンタースケール コンピューティング ソリューションを創出できるようになることを嬉しく思っています。私は、Mellanoxのビジョナリー リーダーたちや同社の優秀な人々とともに、明日のコンピューターを作り出すことをとりわけ楽しみにしています」
 Mellanoxの創業者兼CEOであるエーヤル ウォルドマン(Eyal Waldman)氏は次のように述べている。
 「アクセラレーテッド コンピューティングについて、私たちとNVIDIAは同じビジョンを持っています。2つの企業が、長きにわたるパートナーシップを経て1つになるというのは当然の帰結であり、両社の性能重視の文化を考えれば、すばらしい組み合わせと言えます。この組み合わせにより、パワフルなテクノロジとMellanoxの社員にとって素晴らしい好機が育まれるでしょう」
 両社には、コラボレーションとジョイント イノベーションの長い歴史があり、最近では米国エネルギー省が運営している、世界最速の2つのスーパーコンピューターであるSierraおよび Summitの構築で両社が協力したことにも、それが示されている。世界の大手クラウド サービス プロバイダーの多くも、NVIDIAのGPUとMellanoxのインターコネクトの両方を使用している。性能を何よりも重視するという、NVIDIAとMellanoxが持つ共通の文化によって、シームレスな統合が実現できる。
 この買収の完了後も、NVIDIAは、世界でもっとも重要なテクノロジ センターの1つである、イスラエルの優れた地元企業および才能への投資を続ける意向を持っている。今回の買収によって、顧客向けの販売とサポートが変わることはない。

買収についての追加情報
 買収完了後、この買収によって、NVIDIAの非GAAPベースの総利益率、非GAAPベースのEPS(1株当たり利益)およびフリー キャッシュフローは、直ちに増加するものと見込まれている。NVIDIA では、貸借対照表上の現金を買収資金とする意向を持っている。さらに、同社がこれまでに発表している、2020会計年度の残り期間での資本還元プログラムについては変更はない。今回の買収は、両社の取締役会の承認を受けており、規制当局の承認が得られ、合併合意についてのMellanox株主の合意を含む、他の慣習法上の完了条件を満たせば、2019暦年末までに完了する見込み。

アドバイザー
 Goldman Sachs & Co. LLCがNVIDIAの専属財務アドバイザーを努め、Jones Dayが法務アドバイザーを務めた。Credit Suisse GroupおよびJ.P. Morgan Chase & Co.がMellanoxの財務アドバイザーを努め、Latham & Watkins, LLPおよびHerzog Fox & Neemanが法務アドバイザーを務めた。

カンファレンス コールとウェブキャストの情報  今回の買収につ

【PAI】ソルベイの「トーロン」、耐久性と安全性に優れたコンポジット表面の固着物除去用工具に

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<フランス・パリ、2019年3月13日>ソルベイは、Performance Plastics Ltd.社が展開する「EnduroSharp(tm)」スクレイパーブレード製品ライン拡張のために、「トーロン(r)」PAIを採用したことを発表した。EnduroSharpスクレイパーブレード製品は、デリケートな繊維強化コンポジット表面から固着物を除去するようデザインされた工具。このたびPerformance Plastics社ポートフォリオには、カッターやリーマーのほか、ギャップブレード、充填物除去ビットおよびディスクなどの新しくデザインされた製品が加わった。新しいEnduroSharp製品はすべて、30%ガラス繊維強化樹脂であるソルベイの高機能トーロン5030ポリアミドイミド(PAI)で成形されている。
SnapCrab NoName 2019 3 13 10 15 59 No 00 R 「整備士が航空機の機体表面から充填剤、シーラント、接着剤などを除去する作業では、従来、危険性の高い金属ブレードか、耐久性の低い樹脂製工具を使うしかありませんでした。ソルベイのトーロン(r) PAIは、この両方の素材の特性を兼ね備えています。金属の刃のように成形できますが、デリケートなコンポジット表面を傷つけることがありません」とPerformance Plastics社のvice president of sales and marketingを務めるRich Reed氏は語る。
 ポリエーテルイミド(PEI)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの高機能ポリマーを使用した他のスクレイパーブレードの場合、二次工程で刃先を成形ブランクに機械加工することになる。一方、比較的加工性に優れたトーロンPAI樹脂を使用すれば、EnduroSharpブレードの刃を直接成形することができる。また、機械加工によって特殊な設計を行うことも可能。トーロンPAIは熱安定性が特に優れているため再研磨による高温と摩擦に耐えることができるが、PEEKやPEIから機械加工されたブレードはバリを引き起こす懸念がある。さらにトーロン(r) PAIは航空宇宙用フルードや溶媒に対する耐性が高いため、EnduroSharp製品寿命を長くすることができる。
 このほど発売されたEnduroSharpブレードハンドル、アダプタ、インサートを使用することで、航空宇宙産業の保守技術者は、繊維強化コンポジット、プラスチック、ガラス、セラミック、金属基材、ファスナーから、エラストマー系コーティング、ブート、テープ、シーラント、接着剤、充填剤、テープ残留物などを安全に除去することができる。EnduroSharpブレードと合わせて、熱または化学薬品を利用したスカイビング処理を行えば、さらに迅速な除去が可能になる。
 ソルベイのSpecialty Polymers global business unitでsenior vice president and head of the Ultra Polymersを務めるDoug Brademeyer氏は次のように述べている。
 「トーロンPAIは、熱硬化性樹脂の機能性と熱可塑性樹脂の加工性を兼ね備えた材料として認知されていますが、Performance Plastics社の手にかかると、それが耐久性に優れた鋭利な金属ブレードになるのです。EnduroSharp製品に用いられるイノベーションと処理技術が、高機能ポリマーの可能性を大きく広げています」

【接合】AISTと新技術研究所、5G用低損失基板向け高強度異種材料接合技術開発

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 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST)先進コーティング技術研究センター 光反応コーティング研究チームの中村挙子上級主任研究員、同研究センターの土屋哲男副研究センター長は、(株)新技術研究所と共同で、高周波用のフレキシブルプリント配線基板(FPC)を作製できる高強度な異種材料接合技術を開発した。この技術は銅張積層基板を構成するポリエステル膜の表面を、紫外光反応を用いる表面化学修飾技術により酸素官能基化し、ヒートプレスにより銅箔と接合するもので、銅箔の表面を粗くする必要がなく(粗面化が不要)高い接合強度で異種材料を接合できる。今回開発した接合技術による配線基板は、銅箔表面に凹凸が無いので、信号が銅配線の表面層を流れる高周波でも伝送距離の伸長がない。伝送損失が少ない優れた特性の第5世代通信(5G)用プリント配線基板への応用が期待される。
SnapCrab NoName 2019 3 13 20 12 16 No 00
 
開発の社会的背景
 FPCは、電子機器(スマートフォン、タブレット、ウエアラブル端末など)に使用され情報通信に欠かせない部材であり、近年、特に高周波特性に優れた第5世代通信(5G)用基板の開発において注目されている。FPCは、一般的にポリイミド膜やポリエステル膜などの薄くて柔軟性のあるポリマー膜を絶縁層とし、配線層には銅材料が用いられている。信頼性の高い基板を開発するためには、ポリマー膜と銅配線の接合力を高める必要があり、これまでにさまざまな接合技術が提案されている。例えば、FPCに使用する基材として、ポリマー膜の片面または両面に銅箔を接着・接合したFCCL(Flexible Copper Clad Laminate)があるが、高周波でも伝送損失の少ない平滑性が高い銅箔とポリマー膜とを高強度で接合できる方法が求められていた。

研究の経緯
 AISTは、各種材料へ安全で簡便に化学ナノコーティングを施す技術の開発を目指しており、主に紫外光による表面化学修飾を用いてカーボン系やポリマー材料表面への各種官能基導入技術の開発に取り組んできた。その技術は常温処理で基材の劣化を回避しつつ、撥水性や親水性などの機能性表面を構築できる。新技術研究所は、金属の化学的表面処理を中核技術とし、さまざまな金属製品の機能性向上を実現している。特に近年は金属やガラス、セラミックスの表面に分子接合剤を利用したCB(chemical bonding)技術に力を入れており、既存技術では十分な接合・接着強度が得られなかった材料同士を接着剤フリーで強固に接合させることを可能としている。今回は、AISTの紫外光による表面化学修飾ナノコーティング技術をもとに、官能基を導入したポリマー材料表面を異種材料接合に用いる研究開発に取り組んだ。

研究の内容
 FCCLでは、接着・接合強度向上のため、銅箔表面を粗くし、その粗面の凹凸に接着剤か加熱したポリマー表面を密着させる方法(アンカー効果)が使われている(概要図)。しかし、接着剤を使用する場合、接合部材が透明性に欠けることや、経時的変化により接着剤が劣化するなど耐久性に課題がある。また、高周波信号は配線の表面層を流れるため、銅箔表面の凹凸により伝送距離が長くなり伝送損失が大きくなる。このため、FPCの重要な特性である低い伝送損失を達成するには、平滑性が高い銅箔表面とポリマー膜とを高強度で接合できる方法が求められ、銅箔表面の粗化をせずに表面処理剤を使う方法も開発されている。しかしながら、既存の表面処理剤でポリエステル系ポリマー膜と銅箔とを接合しても、接合強度のばらつきが大きいなど、十分な接合強度が得られない課題があった。
 今回、FPCに使用するポリマー膜であるポリエステル膜表面に、紫外光照射による化学ナノコーティング技術を応用して酸素官能基を導入した。接合前後のポリマー膜と銅箔の詳細な表面分析による接合機構解析の結果をフィードバックすることで、銅箔と反応性の高い表面化学構造を構築できた。酸素官能基導入技術は、ポリエステル膜と酸化剤を共存させて紫外光を照射することで、ポリエステル膜表面に共有結合で強固に固定された水酸基などの酸素官能基を効率的に導入できる。従来の酸素官能基導入技術には酸素プラズマ処理、オゾン処理、コロナ放電処理などがあるが、大型装置の利用、ポリマー膜へのダメージ、表面改質特性の経時的変化などの課題があった。それに対して、今回開発した化学ナノコーティング法は、簡便な装置で効率よく酸素官能基を導入でき、使用する酸化剤も少なく、表面改質特性の持続時間が長い。
 酸素官能基化したポリエステル膜と銅箔をヒートプレスすると、ポリエステル膜表面に多数存在する酸素官能基と銅が化学反応により強固に結合するため、接着剤フリーで高強度の接合が実現した。図1に従来法との接合強度の比較と、今回の接合様式を示す。多数の酸素官能基が銅箔とダイレクトに結合しているため、接合の強さを示す剥離強度の開発目標値(JPCA規格:0.7 N/mm以上)をクリアできた。
SnapCrab NoName 2019 3 13 20 12 30 No 00
今後の予定
 今回開発した接合技術は、接合剤を利用した従来処理よりも接合強度が高く、また伝送損失や接合温度およびコストを大幅に下げられる見込みであり、今後は、高周波特性に優れた5G基板の環境負荷の小さい高効率の量産プロセスを開発する。また、表面化学修飾ナノコーティング技術は多様な官能基を材料表面に導入できるため、さまざまな異種材料接合技術や社会ニーズの高い表面撥水、親水化技術への応用を進める。
<用語説明>
◆フレキシブルプリント配線基板
 絶縁性を持った薄く柔らかいベースフィルムと銅箔などの導電性金属を張り合わせた基材に電気回路を形成した基板。
◆異種材料接合
 性質の異なる材料を接着剤・ネジなどを使わずに強固に直接接合すること。
◆銅張積層基板
 フレキシブルプリント配線基板のうち、あらかじめベースフィルムと銅箔を張り合わせた複合材料。パソコンや携帯端末などあらゆる電子機器の電子部品を作るため、プリント配線板や半導体パッケージに使用されている。
◆表面化学修飾
 化学的処理により固体表面に官能基を導入する技術で、分散性・濡れ性・接着性・吸着性など固体表面・界面が関与する界面化学的性質を制御することができる。
◆伝導損失
 通信経路を流れる電気信号が距離などに応じて減衰する度合いのこと。
◆第5世代通信(5G)
 現在より100倍速いブロードバンドサービス、身の回りのあらゆる機器の多数同時接続、遠隔地でも遅延の低い接続を可能とする次世代の移動通信システム
◆高周波特性
 高周波領域での電気特性のことで、パソコンや携帯端末など精密電子機器の高周波帯域での使用に不可欠である。
◆FCCL(Flexible Copper Clad Laminate)
 フレキシブルプリント配線基板の中で、基材に絶縁樹脂を含浸させ、銅箔を張り合わせて積層したもの。
◆アンカー効果
 接着や塗装において、材料表面の微細な凹凸に接着剤が木の根のように入り込んで硬化することで接着力が高まる効果のこと。
◆JPCA規格
 日本電子回路工業会(Japan Electronics Packaging and Circuits Association)が定めた電子回路に関する規格。

【農業用ドローン】住友化学など、ナイルワークスへ総額約16億円の第三者割当増資

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 (株)ナイルワークスは、(株)INCJ住友化学(株)住友商事(株)クミアイ化学工業(株)スパークス・グループ(株)を運営者とする未来創生2号ファンド、Drone Fund2号(以下、「出資企業・ファンド」)を引受先とする総額約16億円の第三者割当増資を実施した。創業以来の累計資金調達額は、約24億円となる。
 日本では、農業従事者の高齢化や後継者不足を背景に離農が加速しており、過去から培われてきたノウハウが失われつつある。また、生産者の減少により耕地の集約や農業法人の大規模化が進み、ドローンやロボット、ICT等を活用した農作業の省力化や、品質管理の効率化が求められている。
 ナイルワークスは、「空からの精密農業」をビジョンに掲げ、センチメートル精度で完全自動飛行する農業用ドローンの開発および、ドローンに搭載した専用カメラで作物の生育をリアルタイムで診断し、診断結果に基づいた栽培管理を提案する生育診断クラウドサービスの事業化を推進している。2018年夏には、全国各地で75回におよぶ実証実験で農作業の省力化を検証し、地域や水稲の品種ごとの生育データをもとに、診断技術の精緻化を行った。また、VAIO(株)を委託先とした量産化体制を住友商事と共に構築し、量産化モデル第一弾である新型機「Nile-T19」を、2019年6月より販売開始するよう準備を進めている。「Nile-T19」は、プロペラガードを装着し、通信手段も二重化した作業者の安全性と作業の効率性を高めた機構になってい。販売にあたっては、出資企業・ファンドや、既存株主の全国農業協同組合連合会、農林中央金庫および各販売店とも協力しながら準備を進めている。
 ナイルワークスは、今後も各出資企業・ファンド・組合と連携し、保有する技術を水稲以外の作物に展開し、日本のみならず海外にも進出することで、精密農業のリーダーになることを目指す。
 INCJは、一昨年に初回投資して以降、リードインベスターとして経営面のサポートを行ってきた。今後もナイルワークスへの継続的な支援を通して、我が国の農業の生産性向上・国際競争力の強化を支援するとともに、産業界の枠組を越えた連携・オープンイノベーションを推進することで、ICTと農業の融合による新しい産業の創出に貢献していく。
 住友化学は、総合化学メーカーとして長年培ってきた確かな技術とナイルワークスの先進的な技術を融合させ、農業の大幅な省力化・効率化と農作物の収量および品質の向上を目指す。また、農業経営の競争力強化を支援する「トータル・ソリューション・プロバイダー」型ビジネスならびに精密農業の取り組みをより一層加速させていく。
 住友商事は、革新的技術を有するナイルワークスを総合商社として広くバックアップし、早期事業化を支援する。また、ナイルワークスに加え、(株)インターネットイニシアティブ、(株)農業情報設計社などとも協業し、先端技術を分かりやすく、使いやすい形で生産者へ提供することで、精密農業の普及や農業の活性化を目指す。
 クミアイ化学工業は、国産第一号の農薬を市場に提供して以来、安全で効果的な農薬の研究開発・普及を図ってきた。スマート農業への取組みの一環として、ナイルワークスとは実証実験などを通じた協働を行っている。今後とも、農業生産の課題を技術革新で克服する「社会に貢献する企業」としての取り組みを進めていく。
 未来創生2号ファンドは、「知能化技術」「ロボティクス」などの5分野で、未来社会に向けた革新技術を持つ企業を対象に出資を行っている。ドローン自動飛行技術や生育診断技術により世界の農業を変えようとしているナイルワークスへの出資を通して、より良い未来社会の実現とイノベーションの加速に貢献していく。
 Drone Fund2号は、ドローン前提社会とエアモビリティ社会の実現を目指し、投資を行っている。ナイルワークスのドローンによる農作業の自動化は、現場の負担軽減や産業としての競争力の向上に繋げられ、農業分野におけるドローン活用の可能性が広がる。今回の出資を通じて、農業分野でのドローンの活用を支援し、ドローンの社会実装を目指していく。
 
※「空からの精密農業」
 ナイルワークスでは、世界初のセンチメートル精度でドローンを完全自動飛行する技術開発に成功しており、本技術を搭載したドローンを作物上空30~50cmの至近距離を飛行させることにより、薬剤の飛散量を大幅に抑えるだけでなく、作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、その診断結果に基づいて最適量の肥料・農薬を散布する技術に取り組んでいる。
※第8回ロボット大賞 農林水産大臣賞受賞(2018年)
 https://www.robotaward.jp/winning/index.html

【体吸収性ポリマー】東レ、生体追従性・吸収性のある再生医療用ポリマーを創出

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 東レ(株)は、独自の機能性高分子設計技術を駆使し、初期長に対して10倍に引き伸ばしても破断せずに復元する、皮膚のような柔軟性を有する新規の生体吸収性ポリマーを創出した。加えて、このポリマーの加水分解による分解速度を10倍に向上させる技術も見出した。今後、この技術を適用したポリマーを用いた再生医療などの医療用途の開発や各種産業用途への拡大を推進する。

 従来、生体吸収性ポリマーとして知られるポリ乳酸やポリグリコール酸は、結晶を形成しやすい特性(結晶性)があり、硬くなってしまうことから、柔軟性と引き伸ばしても破断しにくい特性(耐破断性)を両立させることは困難であった。

 東レは、乳酸の二量体であるラクチドとカプロラクトンを用いた、特殊な共重合方法を開発し、初期長の10倍に引き伸ばしても破断せずに復元する柔軟性と耐破断性を両立さた。更に、本ポリマーの加水分解を高度に制御することで分解性を10倍向上させた生体吸収性ポリマーを創出した。

 同技術は、臓器や生体組織の動きに追従できる柔軟性と耐破断性が求められる再生医療などの組織再建治療用途への展開が期待される。例えば、ポリマーを用いた医療材料は、損傷した柔軟組織を再生するための足場として一時的に補完し、役割を終えた後に分解するため、残留の懸念がなく、また必要に応じて繰り返し手術ができるというメリットがある。また、汎用性が高いと考えられることから、医療分野以外の各種分野への幅広い適用も期待できる。技術ポイントは以下のとおり。

1.生体吸収性機械特性の改質技術

 東レは早くから、生体吸収性ポリマーの機械特性向上に着目し、乳酸、グリコール酸、カプロン酸、エチレングリコールなどのユニットを組み合わせ、圧縮に対する柔軟性と復元性を有する生体吸収性ポリマーなどを創出してきた。このたび、これらの技術を更に深化させ、従来とは異なる特殊な共重合方法により、結晶性を大幅に低減し、柔軟性、耐破断性と復元性を併せ持つ生体吸収性ポリマーの開発に成功した。

2.加水分解性の制御技術

 ラクチドとカプロラクトンからなる共重合体は、疎水性が高いために水が接近しにくく、加水分解に時間を要する。東レは、エチレングリコールユニットの含有量制御により、上述の機械特性に影響を与えることなく、分解性を10倍向上させることを可能にした。

 同開発品を、直径3mmのポリエステル繊維製人工血管の外表面に被覆したところ、机上検討の結果、湾曲させても座屈せず人工血管の動きにしなやかに追従した。また、動物実験において、本開発品が分解するにつれて人工血管周囲から血管を構成する細胞が浸入し、人工血管を足場に血管組織が再生することによって、移植6ヶ月後も人工血管が開存することを実証した。

 この生体吸収性ポリマーは、血管の他にも、皮膚、消化器、泌尿器、筋肉などの柔軟組織・臓器を再生する再生医療足場材料として更なる開発を進める。

【液体用紙容器原紙】日本製紙、米国子会社 Nippon Dynawave Packaging Company, LLCに総額115億円かけ設備工事、収益力強化を図る

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 日本製紙(株)は、同社連結子会社である米国・液体用紙容器原紙事業会社「Nippon Dynawave Packaging Company, LLC」(以下「日本ダイナウェーブパッケージング」)において設備工事を実施し、パルプの増産・拡販と原紙の品質向上、生産効率改善により、収益力強化を図る。

1.背景と概要

 同社は事業構造転換の推進においてパッケージ事業を成長分野の一つと位置付け、プラスチック減量化の流れを追い風にバリューチェーンの拡大に注力している。その一環として2016年8月末に米国ウェアーハウザー社(正式名称:Weyerhaeser Company、本社:米国ワシントン州)から買収した日本ダイナウェーブパッケージングは、液体用紙容器原紙製造のリーディング・カンパニーとしてグローバルに製品を供給するとともに、紙パック事業を含む同社のパッケージング部門においても原紙サプライヤーとして重要な役割を担っている。

 今般、日本ダイナウェーブパッケージングは世界の堅調なパルプ需要を背景に、かねてより課題であったパルプの余剰生産能力の有効活用策として、パルプを乾燥させて漉き取る設備(ドライパルプマシン)を新設し、「DYNAKRAFT(TM)」の商標で、これまで近隣地域に限定されていた販売先をグローバルに拡げ、収益力の強化を図ることとした。併せて、原紙の抄紙機ドライエンド工程のアップグレードにより、原紙についても印刷適性をはじめとする品質向上と生産効率の改善を目指す。

2.工事概要

(1)金額:総額約115億円

 [1]ドライパルプマシン新設 約72億円

 [2]抄紙機ドライエンド工程の改造 約43億円

(2)稼働時期:2020年5月(予定)

3.日本ダイナウェーブパッケージングについて

(1)名称:Nippon Dynawave Packaging Company, LLC

(2)所在地:3401 Industrial Way, Longview, WA 98632 USA

(3)代表者の役職・氏名:代表取締役社長 J. Carpenter

(4)事業内容:牛乳・ジュース等向け紙容器の原紙、カップ容器用の原紙等の製造・加工・販売

(5)資本金:2,000千USドル

(6)設立年:2016年

(7)大株主及び持株比率:同社 100%

(8)主要設備:パルプ生産設備1基、原紙マシン1台、加工機(ラミネーター)2台

 日本ダイナウェーブパッケージングは、トータルシステムサプライヤーを標榜する同社の紙パック事業を原紙供給面で支えるとともに、近年、「紙」素材への包装材料シフトが世界的な潮流となりつつある中で、プラスチック製トレイの代替となる堆肥化可能(コンポスタブル)な紙器用原紙など新製品開発にも積極的に取り組んでいる。

4.今後の見通し

 2月6日に公表した当期連結業績予想から変更はない。

【Printing】東レ、NEDOプロジェクトにおいてミヤコシ、T&K TOKA、光村印刷とともに世界初の軟包装用水なしオフセット印刷機開発。食品などの包装材印刷のVOCフリーと約80%の消費電力削減を実現

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 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業において、東レ(株)は、(株)ミヤコシなどと食品や生活用品など身近な商品の軟包装材向け印刷用に世界初となる水なしオフセット印刷機を共同開発した。同印刷機は、印刷工程に揮発性有機化合物(VOC)を含む液体(湿し水)を使わない水なし印刷方式を採用しており、環境に配慮した印刷が可能。東レ独自の水なし平版と、省電力LED-UV技術によるインキ乾燥方式と組み合わせることで、軟包装用印刷のVOCフリー化と、従来の印刷方式に比べて約80%の消費電力削減を実現。
 東レは、今回開発した水なしオフセット印刷機を、水なし平版および水溶性UVインキと組み合わせ、軟包装用水なしオフセット印刷システムとして展開を目指すことで、印刷業界の環境負荷低減に貢献する。
SnapCrab NoName 2019 3 14 15 22 8 No 00
概要
 軟包装材は、フィルムを使った包装材で、軽量性、柔軟性、加工のしやすさ、透明性、バリア性などの特長から、食品やシャンプー・洗剤の詰め替え品用など、生活に身近な幅広い商品の包装に使われている。この軟包装に関する印刷市場は、世界的な人口増加に伴い、今後も年率5~7%の拡大が予測されている。一方で、軟包装用印刷には、アジアでは主にグラビア(凹版)印刷※1方式が採用されており、有機溶剤を含むインキを大量に使うことから、PM2.5(微小粒子状物質)による環境汚染の原因となる揮発性有機化合物(VOC)※2を多く排出することに加え、溶剤の加熱乾燥や排気燃焼処理に膨大な電力を使うことが問題となっている。
 このような背景のもと、東レは、NEDOのプロジェクト※3において、VOCフリー化や省電力性など環境性能の高い軟包装用水なしオフセット印刷※4システムの開発を2016年度から開始し、17年度には印刷機メーカーのミヤコシ、印刷用インキメーカーの(株)T&K TOKA、ならびに印刷システムのユーザーである光村印刷(株)が参画して、開発を推進してきた。そして今般、システムの中核となる世界初の軟包装用水なしオフセット印刷機を開発した。

軟包装用水なしオフセット印刷機の特長
 今回開発した軟包装用水なしオフセット印刷機は、東レ独自の水なし平版と水溶性UVインキとの併用により、印刷時にVOCを含む液体(湿し水)を使う必要がないほか、印刷後の設備などの洗浄にVOCが発生しない水系洗浄液を利用できる。加えて、省電力性が高いLED-UV※5を使ったインキ乾燥方式を組み合わせることで、溶剤乾燥と排気処理が不要となる。これにより、グラビア印刷方式に比べてVOC排出量の98%以上の削減と、印刷機1台当たり約80%減となる年間96万kWhの電力消費量の削減を実現する。
 さらに、この軟包装用水なしオフセット印刷システムでは、VOCフリーシステムによって排気処理装置や防爆対応設備が不要となるほか、平版の使用により版代コストを安く抑えられる。設備導入コストとランニングコストを低減できるため、軟包装用印刷の多品種化・小ロット化が進む市場に、優れたパフォーマンスで対応することができる。
SnapCrab NoName 2019 3 14 15 29 4 No 00
<注釈>
※1 グラビア(凹版)印刷
 版は円筒形の金属シリンダで、表面に直接絵柄を凹状に刻んでクロムメッキを施す。版のコストは高いが、耐久性に優れており、フィルムロールの連続印刷など、大量印刷に適している。凹部の深さや形状に融通が利くので濃淡表現に優れる。インキ成分は顔料と樹脂と有機溶剤であり、印刷後に有機溶剤を乾燥させて被印刷物に絵柄を定着させる。
※2 揮発性有機化合物(VOC)
 印刷工程では、有機溶剤を含むインキや薬液を使用することでVOCが発生する。VOCは、光化学オキシダントや浮遊粒子状物質の主原因となるため、国内では大気汚染防止法によって規制されており、発生するVOCは燃焼処理や吸着処理などの排気処理が施されている。近年では、VOC発生源付近での労働環境改善、防災対策、VOC処理のエネルギーコスト低減(CO2削減)の必要性が高まっており、VOCそのものを排出しない印刷システムが望まれている。
※3 プロジェクト
 事業名:戦略的省エネルギー技術革新プログラム/革新省エネルギー軟包装印刷システムの開発
 事業期間:2016年度~2018年度
※4 オフセット印刷
 平版印刷。版は板状の金属プレートで、表面の感光層を露光して絵柄を作る。版の耐久性はグラビア版におよばないが、版コストが安く、短納期で用意できる。写真や色などの再現性に優れており、商業印刷に多く用いられている。
※5 LED-UV
 発光ダイオード(Light Emitting Diode)を光源とした紫外光(Ultraviolet)を発光するランプ。このUV光を、UVインキ印刷部に照射して瞬時に乾燥(硬化)させる。オフセット印刷用インキは、従来の自然乾燥タイプの油性インキから、速乾性のUV硬化インキへシフトしており、UV光源としてメタルハライドUVランプが用いられてきたが、近年では省エネで発熱量の小さいLED-UVランプの採用が進んでいる。

【IJ】富士フイルム、オフセット印刷を凌駕する高画質と毎時3,600枚の高速出力を実現した枚葉型インクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」発売

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 富士フイルム(株)は、商業印刷向けIJ(インクジェット)デジタルプレス「Jet Press」シリーズの新ラインアップとして「Jet Press 750S」を、3月14日より日本国内で富士フイルムデジタルプレス(株)を通じて発売した。「Jet Press 750S」は、オフセット印刷を凌駕する高画質を実現し、国内外で高い評価を得ている「Jet Press 720S」の特長はそのままに、用紙サイズの拡大や最新のプリントヘッドとインクの採用により毎時3,600枚という高速出力を可能とした新たなフラッグシップモデル。国内から販売を開始し、順次海外でも提供していく。
SnapCrab NoName 2019 3 14 16 43 15 No 00
 富士フイルムは、2011年にIJデジタルプレス「Jet Press」シリーズを、他社に先駆けて世界の商業印刷市場に提供を開始した。2014年に発売した「Jet Press 720S」は、菊半サイズ(最大用紙サイズ:750mm×532mm)用紙に1回の走査で描画するシングルパス方式での高速印刷で、毎時2,700枚(A4換算で毎分180枚)という高い生産性を発揮する革新的なデジタルプレス。プリントヘッドには高精度で安定した吐出を実現する「SAMBA」ヘッド、インクは広色域の水性顔料インク「VIVIDIA」を使用し、用紙上での打滴のにじみを抑える「Rapic(ラピック)技術」(*1)により、さまざまな印刷用紙にシャープで階調豊かな画像を描出する。「Jet Press」シリーズは、日本・欧米を中心に導入が進み、これまでに世界で累計150台以上の導入実績がある。
 今回発売した「Jet Press 750S」は、「Jet Press 720S」の優れた基本性能を継承しながら、最新の独自技術を採り入れることにより、生産性をさらに向上させた。プリントヘッドの打滴速度を高速化させ、さらにインク吐出量の制御を高精度化し、新たな乾燥機構の採用により、毎時3,600枚という高速出力を実現。最大用紙サイズを750mm×585mmに拡大したことで、一般的な書籍のサイズであるB5サイズが1枚に6ページ分印刷できるようになり(*2)生産効率が向上した。加えて、印刷物を1枚ずつ画像確認して安定した印刷品質で仕上がっているかを自動で検出する描画品質検査装置を新たに採用。出力後の検品・仕分け工数を削減する。
 また、印刷用紙をベルトコンベアに密着させ直接熱を与える新たな乾燥機構により消費電力を約20%削減した。乾燥装置本体の全長が従来機に比べ70cm短縮したため、設置面積を約15%削減し省スペース化を実現している。
 富士フイルムは、デジタル化が加速する商業印刷市場に対して、今後も画期的な製品を開発・提供し、世界の印刷産業の発展に貢献していく。
*1 Rapid Pigment Coagulation Technology の略称。インク中の顔料を高速に凝集させることによって、インクの滲みを防ぎ、高精細な画質再現を可能とする技術。
*2 従来機「Jet Press720S」の最大用紙サイズでは、4ページ分を印刷可能。
<Jet Press750S>
標準ユーザー渡し価格:2億円(税別)
主な特長:
(1)オフセット印刷を凌駕する高画質を実現
 進化した超高密度・高精度プリントヘッド「SAMBA」、広色域・高発色の水性顔料インク「VIVIDIA」を採用し、定評あるシャープで滲みの無いドット形成が可能な「Rapic技術」の相乗効果により、写真も文字もオフセット同等以上の圧倒的な印刷品質を実現。
(2)毎時3,600枚の高速出力
 インクの打滴速度を高速化、インク吐出量の制御を高精度化したプリントヘッドに加え、ベルトコンベアに用紙を密着させ直接熱を与える新乾燥機構の採用により、出力時間だけでなく乾燥時間も短縮。毎時3,600枚と従来機「Jet Press720S」に比べ1.3倍の高速出力を実現。
(3)印刷用紙のサイズが拡大
 最大用紙サイズを750mm×532mm から750mm×585mmへと拡大したことで、日本や欧米で特に需要の高いB5サイズやレターサイズの6面付けが可能に。生産効率が大きく向上する。
(4)高精度な描画品質検査機能(*3)
 画像部を全面スキャンする方式を採用した描画品質検査機能(インラインセンサー)によって、安定した印刷品質で仕上がっているかを高精度に検査することが可能になり、出力後の検品・仕分け工数の削減に貢献する。
(5)乾燥装置本体をサイズダウン
 新たな乾燥機構の採用により、「Jet Press 720S」と比べて乾燥装置全長を約70cm短縮。設置面積は10m×5.2mと、従来に比べ約15%削減され、より省スペースでの運用が可能。
*3 ユーザーの希望に応じて搭載するオプション機能(別売)。
SnapCrab NoName 2019 3 14 16 24 56 No 00

【炭素循環社会】東芝、CO2から化学品原料への変換を世界最高レベルで達成

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 (株)東芝は、独自開発した触媒電極を用いて、工場などから排出される二酸化炭素(CO2)からプラスチック、塗料、医薬品といった化学品や燃料の原料となる一酸化炭素に変換する技術において、これまでの同社技術の約450倍にあたる世界最高レベルの変換速度を達成した。同技術により、CO2排出量を高効率で削減することが可能となり、パリ協定の目標達成に向けた社会課題解決に貢献する。同技術は、変換に必要なシステムの省スペース・低コストを合わせて実現し、同社は2020年代後半の実用化を目指す。

2019 03 15 toshiba1 なお、同社は同技術の詳細を、3月16日から19日に神戸で開催される「日本化学会 第99春季年会」にて発表する。

 CO2の大気中濃度の上昇が地球温暖化の一因と推測される中(注1)、近年では、SDGs(注2)やESG投資(注3)など、脱炭素に対する意識の高まりが産業界のみならず経済界にまで波及している。パリ協定において日本は、2050年までに80%の温室効果ガス排出量の削減を目指しているが、工場などの産業部門におけるCO2排出量の削減が進まず、大きな課題となっている。このような中、CO2を電気が関与する化学反応(電気化学反応)により有価物に変換して有効利用する技術の開発が進められている。

 CO2を有価物である資源に変換するためには、正極と負極を有し、電極表面で化学反応を起こす電気化学セルが用いられる。これまでの技術開発では、電源として電力系統に分散される多様な再生可能エネルギーを用いて、電気化学セルに電圧をかけ、水溶液に溶け込ませた微量のCO2を有価物に変換する方法がとられていた。しかし、水溶液に溶け込ませることができるCO2の量が少なく、変換反応が停滞し、電気化学反応の反応速度を示す電流密度(注4)が小さくなるという課題があった。より多くのCO2を高速で変換するために、電気化学セルを増やす方法がるが、設置の場所やコストに制約が生じるため、実用化には、電流密度を向上させ、省スペース・低コストを実現しつつ、変換量を増やすことが求められている。

 そこで同社は、電流密度を大幅に向上させるために、反応時にCO2を水溶液に溶かし込むことなく気体の状態のまま直接利用できる触媒電極の開発を進めた。今回、固体(触媒)、気体(CO2)、液体(水)の三相を同時に反応させる三相界面反応が可能な触媒電極を独自開発し、開発した触媒電極に、気体のままのCO2と水を同時に反応させることで、CO2の直接利用に成功し、変換反応の停滞や電流密度の低下を解消することができた。

2019 03 15 toshiba2

 さらに、この触媒層の構造として、ナノサイズの細孔に加え、CO2ガスの流路となるマクロ孔を導入した独自構造を採用することで、ガスの拡散抵抗が小さくなり、より多くのCO2ガスを触媒に供給することが可能。これらの結果、通常(常温常圧)の環境下において電流密度700mA/cm2という高速の変換速度でファラデー効率(注5)92%と、これまでの同社技術と比べ約450倍にあたる世界最高レベルの変換速度で一酸化炭素の生成に成功した。

2019 03 15 toshiba3

 同成果により、変換システムの設置面積の省スペース化が可能となり、合わせて低コスト化を実現する。将来的には火力発電所や産業施設などのCO2を多く排出する施設に近接してシステムを設置し、系統接続された太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電施設からの電力を活用してCO2の削減を行うことが可能となる。

 同社は今後、環境省委託事業「人工光合成技術を活用したCO2の資源化モデル事業」で同技術のシステム実証および炭素循環社会のモデル構築を進め、2020年代後半の実用化を目指す。

(注1)IPCC第4次評価報告書総合報告書 環境省

(注2)2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標 Sustainable Development Goalsの略

(注3)環境(environment)、社会(social)、企業統治(governance)に配慮している企業を重視して行う投資手法

(注4)電流値を電極面積で割った値で、電気化学反応の反応速度を表す。

(注5)流れた電気量のうち、目的の電気化学反応にどれくらい利用されたかを表した割合。

【グリーンプリンティング】電通テック、セキ、惠友印刷のオフセット印刷3工場が新規GP認定

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  (一社)日本印刷産業連合会は、2019年3月14日開催の第53回グリーンプリンティング(GP)認定委員会において、新規3工場と更新24工場、合わせて27工場を認定した。この結果、GP認定工場は全399工場となった。
 また、同認定委員会において、GP資機材の認定を実施し、5社22製品(洗浄剤3製品、エッチ液7製品、プレートクリーナー1製品、セッター1製品、IJ・液体トナー型デジタル印刷機1製品、製本用接着剤1製品)を認定した。これで、2019年度4月以降の認定登録製品は676製品となる。なお、製本用接着剤はGP資機材認定製品として新たにスタートしたもの。
 新規3工場のGP工場認定式は、2019年4月24日(水)15時~17時30分に日本印刷会館大会議室(東京都中央区)で開催する第3
回GP工場交流会において執り行わる。
 第52回GP認定委員会による新規認定は次の通り。
<オフセット印刷>
 (株)電通テック 本社(東京都千代田区内幸町1-5-3 新幸橋ビル)
 セキ(株)伊予工場(愛媛県伊予市下三谷290-1)
 惠友印刷(株)本社/板橋工場(東京都板橋区大原町46-2)

【スパンボンド不織布】旭化成、タイで製造設備を増設。年産約5万トンに

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 旭化成(株)は、タイにおけるスパンボンド不織布の製造・販売会社である旭化成スパンボンド(タイ)(所在地:タイ国チョンブリ県シラチャ、社長:及川 恵介、以下「AKST」)の設備増設を決定した。

1. 背景

 同社は、スパンボンド不織布について、1973年の創業以来「エルタス」ブランドを中心に多岐にわたる用途展開により事業拡大を進めている。現在、国内では滋賀県守山市および宮崎県延岡市、海外では2012年に設立したAKSTと計3拠点に製造設備を有し、紙おむつなどの衛生材料、自動車などの各種産業資材や、消臭シートなどの生活資材など、幅広い用途に向けスパンボンド不織布を生産し、国内外で積極的な事業展開を行っている。

 中でも、AKSTにおいては2016年に2号機を増設し、アジア各国での紙おむつ市場の急拡大に対応してきた。今後も高い成長が期待される同市場をターゲットに、紙おむつ素材のさらなる高度化、品質およびコスト面での競争力強化を図るため、今般AKSTでの3号機となる高品質なスパンボンド不織布製造設備の増設を決定した。

2. 増設の概要

・立地:タイ国チョンブリ県シラチャ(サハ工業団地内)

・生産品目:ポリプロピレン(PP)スパンボンド不織布

・増設能力:年産1万5千トン 増産後の総生産能力 年産約5万トン

・工期:2019年3月着工、2021年7月稼働予定

同社は、今後も、アジア各国での紙おむつ市場の拡大と、紙おむつメーカー各社のニーズに応えるべく、安定供給体制を強化していく。

【社名変更】ヘル・グラビア・ジャパン、今年1月より「ヘリオグラフ・ジャパン」へ

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 グラビアシリンダー製版および自動生産ラインのトータルソリューション、ダイレクトレーザー彫刻技術等のメーカーで、MDCドクターブレードの日本総代理店でもあるヘル・グラビア・ジャパン(株)は、2019年1月1日付で、社名を「ヘリオグラフ・ジャパン(株)」(英文名:Heliograph Japan K. K)に変更した。
 ヘリオグラフホールディングのグループ会社として、その総合力を基盤に、グラビア製版機器メーカーとしての位置づけをより明確にするため、新社名に「ヘリオグラフ」を冠し、市場におけるプレゼンスを高め、これまで以上に顧客との共同の取り組みやニーズに合致した製品の開発・販売を充実させていくことが目的。

【オフセット印刷】DICグラフィックス、「ポケット型カラーチャート第3刷」発売

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SnapCrab NoName 2019 3 18 8 20 8 No 00 R DICグラフィックス(株)は、オフセットカラー印刷におけるプロセス4色の掛け合わせ一覧表である「ポケット型カラーチャート」の第3刷を3月22日に発売する。
 オフセットカラー印刷は、プロセス4 色(黄、紅、藍、墨)の印刷紙面上に占める面積(網点%)を決定し、それらを重ね合わせることにより豊かな色彩を表現する。「ポケット型カラーチャート」は、その色彩のバリエーションを基本階調スケールとして見やすくチャート化し、持ち運びに便利な手帳サイズにしたもの。
<ポケット型カラーチャート第3刷について>
1. 商品説明
 網点%:0、10、20、30、40、60、80、100%の8段刻み
 チャート数:32枚
 規格:145×85mm
2. 価格
 1,800円(税抜)
3. 購入方法
 a)全国の大手画材店や一部書店
 b)DICグラフィックス社ホームページ
  DICカラーストア http://shop.dic-graphics.co.jp/

【高速伝送対応コネクタ】京セラ、世界最多極の0.5mmピッチFPC/FFCコネクタ「6815シリーズ」を製品化

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 京セラ(株)は、世界最多極※1の100極を実現した高速伝送対応の0.5mmピッチFPC/FFC(フレキシブルプリント基板/フレキシブルフラットケーブル)用コネクタ「6815シリーズ」を製品化し、2019年3月18日より順次、サンプル出荷を開始する。
※1 2019年3月1日現在。京セラ調べ。
SnapCrab NoName 2019 3 18 17 38 25 No 00
 2018年12月から日本国内では、超高精細画像の8Kテレビ放送が始まり、圧倒的な臨場感が体感できるようになった。また、医療現場においても4K · 8Kといった高精細ディスプレイの導入が進んでおり、繊細な手術や病気の早期発見などに役立てられている。さらに今後は、高精細画像を利用した遠隔医療などへの応用が期待されている。
 新製品「6815シリーズ」は、高精細画像を実現するための高速伝送を可能としたコネクタであり、世界最多極※1の100極を実現した。多極コネクタを使用することで、これまで少極コネクタを複数個配置することが必要だった基板のパターンレイアウトを、コネクタの使用数を削減してスマートに接続できるようになった。これにより、少極コネクタを複数個使用するときと比べて、FPC/FFC挿入工数や実装工数などの作業時間の短縮が可能。同製品は、高速インターフェース規格「V-by-One®HS」※2(伝送可能速度:最大3.75Gbps)に準拠している。
 超高精細映像の8Kテレビや医療用ディスプレイで使用する「汎用タイプ」に加え、-40℃~+105℃に対応したカーナビなどの車載インフォテインメントに搭載可能な「高耐熱タイプ」もラインアップした。
※2 「V-by-One」は、ザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
 多極・高速伝送対応FPC/FFCコネクタ「6815シリーズ」の特長は次の通り。
(1)高速伝送対応製品において、世界最多極※1を実現
 液晶テレビ向け次世代インターフェース規格である「V-by-One®HS」※2(伝送可能速度:最大3.75Gbps)に準拠する高速伝送対応製品において、世界最多極の100極を実現。
(2)車載向けの高温度対応製品をラインアップ
 使用温度範囲は-40℃~+85℃の「汎用タイプ」と、-40℃~+105℃の「高耐熱タイプ」をラインアップし、カーナビなどの車載インフォテインメントにも搭載可能。
(3)嵌合(接続)不具合の防止と、良好なクリック感を実現
 タブ付きFPC/FFCとの組み合わせにより、斜め挿入や浅挿しによる接点ズレを防止。 嵌合不具合が目視によって確認できるため、作業効率の向上に貢献する。また、ロック時/ロック解除時の操作において、良好なクリック感を実現。
(4)インピーダンス調整FFCに対応
 伝送特性を向上させたインピーダンス調整FFCにも対応。
(5)環境に優しいRoHS指令対応製品
SnapCrab NoName 2019 3 18 17 28 27 No 00

【平成30年度しが生物多様性取組認証制度】SCREENホールディングス、最高評価の3つ星を獲得

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 (株)SCREENホールディングスはこのほど、滋賀県が実施する「平成30年度しが生物多様性取組認証制度」において、最高評価の3つ星を獲得した。
 同制度は、滋賀県内に本社または事業所を置く法人、個人事業者、農林水産事業者、教育機関を対象に、事業活動における生物多様性の保全や自然資源の持続的な利活用に関する取り組みをチェックシートにより確認し、その項目数に応じて3段階(1つ星、2つ星、3つ星)で滋賀県が認証するもの。
 SCREENグループでは、「未来共有」「人間形成」「技術追究」の企業理念の下、「ESG」に重点をおいたCSR経営の推進に努めている。事業活動における環境負荷の低減を目指し、水使用量の削減や化学物質を扱う研究棟での排気清浄処理や排水処理など、さまざまな環境リスク管理に取り組むとともに、同社独自の評価基準をクリアした環境性能の高いグリーン・プロダクツの開発、製造、販売を積極的に行い、バリューチェーンCO2総排出量の大幅な削減に取り組んでいる。さらに、自然資本から継続的に恩恵を受けられる環境づくりを重要課題と置き、「生物多様性行動指針」を制定。同社グループ最大の製造拠点である彦根事業所において、1990年から事業所前を流れる太田川の清掃を行っているほか、野洲事業所では琵琶湖岸の周辺清掃を行うなど、地元住民とともに定期的な美化活動を行っている。また、事業所内に滋賀県の木である「紅葉」の植栽や、京都原産の希少植物を含む10種類以上の植物の栽培を行うなど、生物多様性保全における積極的な活動を行っている

【射出成形機】日精樹脂工業、西日本ブロックの九州営業所を移転

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 日精樹脂工業(株)は、西日本ブロックにおける営業・サービス体制強化の一環として、このほど、九州営業所の機能拡充を図るため事務所を移転し、3月28日より新事務所で業務を開始する。
 九州営業所は、福岡をはじめ大分、佐賀など九州7県全エリアの営業・サービス業務を担う重要拠点。新事務所は、福岡都市高速環状線・半道橋ICから約5分のところに位置しており、高速道へのアクセスがより良好となるため九州各地の客先訪問にも便利で、また、JR博多駅や地下鉄空港線東比恵駅からも徒歩圏内という利便性に優れた場所にある。
SnapCrab NoName 2019 3 20 6 53 53 No 00 R
 九州営業所(画像の、向かって右から2棟目)は、1階が倉庫、2階が事務所の鉄骨造2階建ての建物で、倉庫スペースが旧事務所に比べて3倍の広さとなることから、プラスチック射出成形機の部品等のストックスペースが大幅に増え、機能拡充が図れる。
 スタッフは、所長を含め営業・サービス員と事務員の5名。
<日精樹脂工業(株)九州営業所(新事務所)>
所在地:福岡県福岡市博多区豊1-9-11
TEL:092-260-8720
FAX:092-260-8721
営業開始日:2019年3月28日

【食品パッケージ】コンバーティングの明日を考える会、4月23日開催の第7回セミナー「循環型社会をつくり、明るい未来を!」参加者募集開始

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  コンバーティングの明日を考える会(田口 薫委員長)では、来る4月23日(火)午後1時30分~5時まで、すみだリバーサイドホール(東京都墨田区吾妻橋1-23-20)において、第7回セミナー「循環型社会をつくり、明るい未来を!」を開催する。
 食品パッケージにおいて、内容物を保護し、原料やアレルギー物質の有無等に係わる情報を伝達し、さらには店頭購入の楽しみを消費者にもたらすなど、軟包装グラビア印刷の果たしている役割は多彩で重要である。にもかかわらず、その社会的価値はなかなか理解されていないというジレンマがある。そこで、コンバーティングの明日を考える会では、企業規模の大小にかかわらず、業界の立場を越えた関係者が結集し、それぞれの知見と経験を共有し、食品パッケージの社会的責任の重要性と価値認識のレベルアップに繋げるべく、毎年1回、セミナーを開催している。今回も、サスティナブルな業界を目指し、さらなる進化を目指し、「環境・品質・コスト」の調和と「安全・安心」をテーマに、厳選したテーマで開催される。

開催日時:2019年4月23日(火)午後1時30分~午後5時(午後1時から受付開始)
会  場:すみだリバーサイドホール(東京都墨田区吾妻橋1-23-20、墨田区役所隣り)
主  催:コンバーティングの明目を考える会(事務局:関東グラビア協同組合 TEL.03-3622-1895)
定  員:300名(定員になり次第締め切る)
申込方法:こちらの申込書に必要事項を記入の上、FAXにて申し込むこと。
参 加 費:5,000円/1名(申込と同時に指定銀行へ振込むこと)、入金を確認次第参加券を送付予定
申込締切:2019年4月17日(水)、ただし定員に達し次第締め切る

 プログラムは次の通り。
1.「海洋プラスチックごみ問題とプラスチック資源循環戦略-プラスチックと賢く付き合う未来を考える-」
 講師:凸版印刷(株)エコロジーセンター 環境政策部 部長 木下敏郎 氏

2.「取引を正常化するために下請事業者ができること」
 講師:弁護士法人 千代田オーク法律事務所  弁護士 柴田里香 氏

3.「これからの食品パッケージについて」
 講師:味の素(株)食品事業本部 食品研究所 商品開発センター 包装設計グループ 主席研究員 小林義浩 氏

4.「働き方改革法 対応準備はできていますか?」
 講師:(株)吉田労務コンサルティング 特別社会労務士 大西綾子 氏

【高耐熱光学熱可塑性樹脂】SABICの4種類が初めてZEMAX OPTICSTUDIOデータベースに登録

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SnapCrab NoName 2019 3 20 10 8 44 No 00 R 総合化学品のグローバルリーダーであるSABICは2019年3月20日、同社の4種類の高耐熱光学熱可塑性樹脂が、光学システム設計ソフトウェアの業界標準となっているZemax OpticStudio(r)の材料データベースに追加されたことを発表した。このたび登録された高機能性材料は2種類の高耐熱性LEXAN(tm) CXTポリカーボネート(PC)コポリマーおよび、ULTEM(tm)ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、EXTEM(tm)ポリイミド樹脂。これらはOpticStudioに初めて登録された高耐熱光学熱可塑性樹脂材料であり、光学センサーやレンズの設計者に、ガラスやエポキシ樹脂以外の新しい革新的な材料の選択肢を提供することになる。これらSABICの熱可塑性プラスチックスは、加工時間の短縮や光学部品の設計自由度を向上できるなど、従来材料にはない大きなメリットをもたらす。
 SABICで高耐熱樹脂テクノロジー、チーフ・サイエンティストを務めるGabrie Hoogland氏は「熱可塑性プラスチックスは、光学設計者が現在使用可能な選択肢を大幅に拡大可能な新しいカテゴリの材料です。今回Zemax OpticStudioデータベースに登録された最初の4製品は、今日および将来の民生用および産業用エレクトロニクス・アプリケーションにおいて、高耐熱性をはじめ特殊な要件が必要とされるセンサーやレンズに適した多くの望ましい特性を備えています。SABICは光学業界のお客様をサポートすると共に、設計者の変化するニーズや要望に対応するべく、Zemaxデータベースにおける当社供給材料の拡大に向けて積極的に取り組んでいます」と述べている。
 ZemaxでOpticStudioプロダクトマネージャーを務めるThomas Pickering博士は「私たちは、SABICの高性能高耐熱光学樹脂がOpticStudioに追加されたことを歓迎しています。当社ソフトウェアを活用して、光学コンポーネントやシステムの分析、シミュレーションおよび最適化を進めている設計者の多くから、熱可塑性プラスチックスの材料データを希望する声が高まっていました。そしてこのたび当社のお客様には、これら光学部品の設計に特化した材料を使用して、次世代レンズやセンサーを設計する新たな機会がもたらされました。こうしたデータベースの拡張は、設計者がOpticStudioからより多くの価値を得るために役立ちます」と述べている。

光学アプリケーションに向けた優れた特性
 Zemax OpticStudioデータベースに登録された4種類のSABIC熱光学ポリマーは、光学コンポーネントの小型化ニーズに適合し、数多くの機能を限られたスペースに統合するという課題に対処する。
・LEXAN(tm) CXT 17およびLEXAN(tm) CXT 19 PCコポリマーは、過酷な成形条件下においても高耐熱性、高流動性および優れた色安定性をバランス良く発揮。また2つのコポリマーは、1.6を超える高い屈折率と、紫外線可視スペクトル範囲における高い透過性を兼備。
・ULTEM(tm) 1010 PEI樹脂は、固有の難燃性、高強度および寸法安定性、赤外線スペクトル範囲における高い光線透過率、-40~180℃の広範な温度範囲における耐熱性を提供可能。
・EXTEM(tm) XH1015ポリイミド樹脂は、小型部品、複雑形状部品や薄肉部品において卓越した高耐熱性と高流動性を提供可能。
 これらの材料は、ガラスやエポキシ樹脂にはない大きなメリットをもたらすことができる。設計においては、さまざまな制約を減らすと共に、設計自由度の向上、薄肉部品や長尺部品、質感の選択など、革新的な形状を実現できる。また成形の観点では、射出成形によってサイクルタイムを短縮できるほか、エポキシ樹脂で必要となる硬化工程の排除、光学ガラスで必要となる高コストな研磨や艶出し工程が不要となる。
 SABICはZemaxと協力し、光学定数と呼ばれる特定の形式によって同社材料の光学データを提供している。これらのデータには、屈折率の分散定数、屈折率の温度定数、温度依存性、伝送データ、熱膨張係数(CTE)値などが含まれる。

【HALS】SONGWON、SABOの農業用途向け光安定剤システム発売

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<2019年3月20日、ウルサン・韓国発>世界第2位のポリマー添加剤メーカーであるSONGWON Industrial Groupとヒンダードアミン光安定剤(HALS)の開発・製造分野において世界をリードする企業であるSabo S.p.A.は本日、両社間で締結されている長期提携契約に関して新たな節目を迎えることになった。
 先日SABOは、厳しい農業用途専用に開発した独自の革新的な光安定剤システムSABO(r)STAB UV216を発表し、優れた性能を発揮する新たなソリューションを農業分野に提供することになった。この新製品は、SABOとSONGWONの揺るぎない提携関係をさらに強化する存在となる。
 両社間の既存の販売契約に従い、SONGWONは、SABOの専門知識や技術とSONGWONのテクニカルサービス、グローバルアプリケーションコミュニティ、そして豊富な販売実績を持つ営業チームによる手厚いサポートを組み合わせることで、SABO(r)STAB UV 216のプロモーションを加速する。また、この新製品がSABOの光安定剤のポートフォリオに加わったことで、高性能製品と革新的なソリューションを提供するパートナーとして、ポリマー業界において選ばれる企業となるという共通の目標に向け更に前進する機会となる。
 「当社の最新光安定剤システムは、プラスチック業界に付加価値を提供し続けるSABOとSONGWONの責任を改めて強調する機会となります。また、SABO(r)STAB UV 216はSABOとSONGWONにとって、光安定剤のメーカーとして世界的に認められた立場を確立するための取り組みを更に前進させることにもなります」と、プラスチック添加剤事業部門グローバルヘッド、アルベルト・ヴィシェッティ氏はコメントしている。
 SONGWONのポリマー添加剤事業部門リーダーのエレナ・スカルトリッティ氏は次のようにコメントしている。
 「SONGWONは長年にわたりSABOと揺るぎない提携関係を築けていることをとてもうれしく思っています。また、この新製品のプロモーションに携わることを心から楽しみにしています。今後もさらに強化されることが期待されるSABOとの提携関係はまさに、市場を牽引する2社が協力することで、市場に新たなソリューションを提供することができる事を証明する良い手本となるでしょう。革新的な新製品の開発に成功したSABOにお祝いの言葉を贈りたいと思います」

Sabo S.p.A.について
 1937年に設立されたSabo社は、プラスチックやコーティング剤向け添加剤および界面活性剤、化粧品原料、産業用用途向け特殊化学品といった様々な産業分野で使用される特殊化学品の開発と生産を行う化学企業。Saboはイタリア本社およびスイス・バーゼルのSabo International SAを拠点として事業を展開している。
SONGWON Industrial社について
 1965年に設立されたソンウォンは、韓国・蔚山(ウルサン)に本社を構える、添加剤および特殊化学製品の開発、生産、供給におけるリーディングカンパニー。世界第2位のポリマー安定剤メーカーであるソンウォン・インダストリアル・グループは世界各国にグループ会社を展開し、世界的な事業基盤と容易にアクセス可能な各地域における事業組織の双方を保有するメリットを顧客に提供する。ソンウォンの専門チームは顧客との密接な連携によって、個々の要件を満たすテーラーメイドのソリューションを開発している。

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